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映画レビュー:ダークナイト・トリロジー

 

カルト脱会者のダークナイト・トリロジー感想

過去のツイッターでいくつもつぶやいてきたように私はバットマンの映画というより、ダークナイト・トリロジーと呼ばれる三部作がとても気に入っています。

バットマン」と聞いて、まったくイメージすら沸かないという人はいないと思います。

 

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本名はブルース・ウェイン (Bruce Wayne)。
大企業「ウェイン・エンタープライズ」のオーナーであり、ゴッサム・シティの億万長者、慈善家。幼いころに眼前で両親のトーマスとマーサを強盗に殺害され、以来執事のアルフレッド・ペニーワースに育てられる。表舞台では著名な慈善家として福祉や雇用拡大のために活動する一方で、裏では両親の命を奪った犯人への復讐と恐怖からバットマンとして戦う。

多くの心身共に強いヒーローとは異なり、彼は精神的な繊細さと葛藤を内包する人物像であることが特徴である。
Wikipediaより引用:強調は管理人)

 

この引用部分の最後の「多くの心身ともに強いヒーローとは異なり、精神的な繊細さと葛藤を内包」しているのが、バットマンの最大の特徴と言っても良いです。

スーパーマンのような超能力はないものの、大金持ちで、生まれ育った町を愛しており、鍛えた身体に黒いスーツをまとい特殊に開発した道具を用いて悪い奴らを退治して歩く。市民のために大金持ちとして貢献しつつ、はびこる悪を退治し安心できるようにしようという、物心両面で活躍しながら、そのことに葛藤するヒーローキャラクターというのは興味深い人物であり、こちらに示されているように、過去何度も映画作品が制作されています。

 

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アメリカでも絶大な人気を誇るキャラクターの一人で、過去の映画作品にはマイケル・キートンジャック・ニコルソンキム・ベイシンガーなどの大物が登場するほどです。

しかし引き出しが多いヒーローを描き出すにあたって、どこに焦点をあてるかによっていろんな作品の作り方ができてしまいます。このためシリアスなキャラクターのはずなのに、映画全体としてはコミカルな雰囲気の作品もあったり、そのミスマッチを楽しめるかどうかで評価が変わったりもします。

 

そんな中、「バットマンの映画とはこういうものだ」とでも言わんばかりに、その誕生、活躍、そしてバットマンの最後までの正解を出してしまったのがダークナイト・トリロジーでした。

 

何がそこまですごい映画なのか?

表舞台では著名な慈善家として福祉や雇用拡大のために活動する一方で、裏では両親の命を奪った犯人への復讐と恐怖からバットマンとして戦う」と紹介される人物は、なぜバットマンになったのか、どのように戦っているのか、犯人への復讐と恐怖をどのように克服するのかを完全な形で描き出しています。

そして、この映画がつくられたのは2005年から2012年ですが、「この映画をこの時代に作る意味合いは何か?」「なぜ、いまの人達はこの映画を見るべきなのか」、という問いに答えているからです。

 

本稿の冒頭で「カルト脱会者のダークナイト・トリロジー感想」と書きました。

 

私たちもこの世を良くしたいと考えて、何らかの運動に身を投じました。しかしそれが間違っていることに気が付いた今、何をするべきか。また何をしてはいけないか、という問題を、クリストファー・ノーラン監督は意図せずに描き出してしまっていると考えます。

 

これが本記事を投稿する最大の理由ですが、併せて信者の献金を湯水のように注いで、見る価値のない映画を作り続けることについての問題提起でもあります。

 

ダークナイト・トリロジーとは

ダークナイト・トリロジー(三部作)とは、「バットマン・ビギンズ」「ダークナイト」「ダークナイトライジング」の三作をさします。

こちらのウィキペディアでも「史上最高の作品に数えられている」と書かれています。

 

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個人的に超絶にお勧めしている理由は、特に第二作目、「ダークナイト」で、バットマン最大最強の宿敵、ジョーカーとの戦いを通して「善とは何か?悪とは何か?」「悪を倒すために、バットマンとして活動することの是非はどうか?」「正義のために、愛する人を犠牲にして良いのか?」といった、我々を悩ます本質的な問題を、なんとヒーローものの映画で真正面から描いています。

 

映画としての完成度も高いですが、我々元カルトの脱会メンバーとして、自分たちの立ち居振る舞いを考える映画にもなっています。

 

三部作のタイトルに込められた意味

バットマンは知ってるけど、ダークナイト(闇の騎士)って何?という方もいらっしゃるかもしれません。

 

もともとバットマンにはいくつかの異名がありました。

「Dark Knight(闇の騎士)」「World's Greatest Detective(世界最高の探偵)」「Caped Crusader(ケープを纏った十字軍騎士)」などの異名を持つ。

 

黒いスーツを着て夜に活動することから違和感はないと思いますが、「ダークナイト」はコミック時代からつけられていた通り名の一つです。

 

ここで三部作のタイトルを並べてみると、一作目は「バットマン・ビギンズ」(バットマンのはじまり)。ここではダークナイトとは使われていなかったのに、二作目から「ダークナイト」となっています。

製作者側は非常によく考えて作っていて、このタイトルの付け方自体に非常に重要な意味を込めています。

 

バットマンは一作目から三作目まで黒いスーツのまま戦う訳で、そこに変化はありません。

 

一作目ではただのバットマン、悪い奴らを夜な夜な退治する市民の味方、みんなのヒーローだったのです。

これが二作目でジョーカーとの対決の結果、警察や検察までもがズタズタにされてしまい、正義を実現するための警察・検察組織が崩壊しそうになったとき、そのすべての罪をバットマンが背負って文字通り闇の中に消えていくのです。

バットマンが闇に隠れてナイト(騎士)になった瞬間でした。

 

そして三作目。

二作目の終わりで罪を背負ったバットマンダークナイト(闇の騎士)は、当然、警察から追われる立場からスタートします。

そこから真の敵をやっつけて第二作目でバットマンが被った濡れ衣も晴らし、真の意味で「闇にかくれていた本当の騎士」であることが判明して終わります。

文字通り「ダークナイトが、再び昇ってくる(ライジング)」わけです。


バットマンダークナイトになったことの是非は?

このように三部作を通して「バットマンを描き切る」ことに成功したダークナイト・トリロジーですが、特に第二作目のダークナイトで正義のために罪をかぶったバットマンの行いは正しかったのかどうか?

あの瞬間の選択としては仕方なかったことは、映画を見ていた人は誰しもが納得するかもしれない。

しかし三作目の冒頭でその選択のゆえに苦しむ人の姿が描かれます。


バットマンは愛するゴッサムのため、信頼する警察の仲間たちのため、ボロボロになってしまった警察組織を守り立て直すために、彼はまったくもって正義と信じるもののために罪を被るのですが、その嘘がかえってバットマンが信頼する仲間を苦しめることを描いています。

このつなぎ方を見ただけでも、どれだけ「ダークナイト・トリロジー」が緻密に作られているかを感じます。

 

これは映画だったので最後は当然、丸く収まるのですが、人生において常にそうとは限らない。とても考えさせられるテーマです。


ジョーカーの嘘について

ここまで手放しで絶賛しているダークナイト・トリロジーですが、二作目に登場する敵ジョーカーは自分の生い立ちについて非常に矛盾した発言をあちこちでします。
これについて最初違和感を感じる人がいるかもしれません。

実際、当時のブログでもジョーカーのセリフの矛盾についてコメントしている人がいたと記憶しています。彼はこの世に混乱をもたらすことを生きがいとしているので、まともに自分の生い立ちを語るわけがない。

 

たとえばジョーカーがバットマンを敵として攻撃するのを見て、バットマンの正体を知る人間がテレビで「バットマンの正体を知っている」と語ろうとします。

その瞬間、ジョーカーはテレビ局に電話をかけて、「せっかくのゲームを邪魔する奴は許さん、その正体を明かそうとした人間を殺さないと市内の病院を爆破すると宣言」します。

テレビで「バットマンの正体を明かす」という人物が出てきた瞬間に電話をかけているだけでなく、「病院を爆破する」ことで身内が被害を被る人間が警察にいて、その人物の保護のふりをして殺しかけるような準備までしていた人物でした。

そんな狂気のジョーカーの生い立ちがまともであるはずがなく、その話があちらとこちらで矛盾していること自体が、ジョーカーそのものをあらわしていると言えます。

奇蹟のジョーカー俳優=ヒース・レジャー

この狂気の塊ジョーカーを演じたのはオーストラリア出身のヒース・レジャーでした。役を演じ切るためにイギリスのホテルにこもって狂気の世界に入り込んでしまったため、撮影が終わると精神的に負担が多すぎて不眠症に陥り、映画の完成を待たずに他界してしまいました。

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文字通り命がけの演技となったわけですが、映画における存在感は狂気そのものです。

バットマンが彼を捕まえるために禁忌の技術まで手を出さざるを得ないほど、悪を働くことにかけては超絶的な天才というキャラクターそのものとして登場しています。

作品として彼の存在は重要な役割だったことは間違いないのですが、役柄が俳優本人に及ぼす影響という問題については別途に考えておくべきことがありそうです。


☆この映画の「ザ・映画」たる由縁

不思議な小題をつけました。
これは、つい先日、某宗教団体が作った映画を見て、あまりのひどさに衝撃を受けたことに対するリハビリテーションとして本記事を投稿した事から生まれたパートでもあります。

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ダークナイト・トリロジーをこれらの映画と比べること自体が、そもそも間違っているのですが...

 

某映画の製作陣はこういった映画を作らざるを得ない。仕方なくやっている面があることは、別の宗教団体に属していた立場として十分理解はします。

しかし善と悪の対立をかくならこうやってやるのだぞとでもいうべきお手本のような作品が「ダークナイト・トリロジー」です。

制約が厳しい中であっても、これら三部作に近づけるようにしてもらえたら、と願わざるをえません。

監督はじめ優秀なスタッフは、こんなことは言われないでも百も承知なのは分かっていますけどね。教団側のスタッフもつらいでしょうし。

 

閑話休題

まだご覧になっていらっしゃらない方もおられると思います。あまりネタバレにならない程度に、この作品の映画としての見どころを上げておきたいと思います。

①全体構成が素晴らしい

これは既にタイトルやキャラクターの描き方で述べています。某映画とは根底から作りこみ方が異なります。また、以下の内容をご覧いただいても、どれほど全体の構成から細部に至るまでを考え抜いて作りこんだかが良く分かります。

②伝えたいメッセージを、「セリフ」ではなく、物語を通して観客に感じさせている

なぜバットマンが生まれたのか、なぜあそこまで悪を憎むのか、という重要なメッセージは、ストーリーを通して描かれます。バットマンのキャラクター設定である「俺は両親が殺された!その犯人が憎いから、バットマンになったのだ!」ということはブルースがセリフで語ったりなどせず、映画=映像を通して語られています。

これを端的に示すのが、バットマンの姿をしている時に、「あなたの名前は」と聞かれるのですが、自分の名前を名乗らずに相手から言われたことがあるセリフを使うことで、自分の正体とやっていることを伝える工夫をしているくらいです。この点については後ほど詳しく説明します。

 

映画は、お金をかけてシナリオを書き、俳優を起用し、撮影したり音楽をあてたりして作った作品を見てもらった観客が、忘れたくても忘れられない体験としてメッセージを受け取ったり、考える起点になるから価値が生まれる。

何度も何度も見返して感慨を深めたり、シナリオに込められたメッセージを後から悟って、更に製作の意図を再確認したりすることになるわけです。

今、私がこうやってわざわざ何年も前の作品のレビューを書いているように。


かたや某団体の映画。

「一日一生」とか、八正道をまるまんま持ち出したりとか、何の前触れもなくいきなり「至誠にして動かざるもの、いまだこれあらざるなり」といったセリフで語っちゃう。

このセリフは後で使われているけど、物語の柱を貫く重要な一言か?と言われるとそうでもありません。良く分からないミサイル迎撃を首相に具申してもらうために、補佐官を動かすだけでおしまい。

こんな風にメッセージを額縁に掛けておいてみたり、セリフで語らせて陳腐に使い倒してしまうなら、わざわざ映画にする必要がないのです。A6サイズのチラシにでも書いて渡せばよい。

映画にする意味がなくなってしまっています。

今後、もし誰かに「塩子」や「愛国」について聞かれたら、ネタとして見るならいいけど、映画になってないよと答えることでしょう。10年以上もたってから、熱い思いを込めてレビューを書くなどということはないでず。

③小道具にすら意味がある。

上記②の延長にもなるのですが、映画の中で使われる舞台設定、場面、景色、大道具・小道具、セリフは「伝えたいメッセージ」を描き出すための重要なパーツです。画面に出てきたからには、特に主人公が手に取るようなものは、明確なメッセージを込めて使われるべきものです。

ダークナイト・トリロジーではいくつもそんなアイテムがありますが、ここでは二つだけ取りあげておきたいと思います。

 

アイテム二つというより、小道具一つと、一人の俳優ですね。

まず「真珠のネックレス」。

バットマンは男性なので真珠のネックレスは付けないのですが、原作から使われているアイテムで、元々重要な意味が込められているものです。

ダークナイト・トリロジーでは最初から最後の最後まで、この「真珠のネックレス」がとても重要な意味を持っています。

 

そして重要な俳優がウェイン家の執事として勤めるアルフレッド・ペニーワース。

彼も原作コミックに登場するキャラクターで、バットマンには必須の脇役なのですが、ダークナイト・トリロジーのアルフレッドは別格です。

 

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他にも重要な役割を果たす人物は多数います。ゴードン警部補や、ハービー・デント検事。そしてバットマンの特殊武器の開発担当者であるルーシャス・フォックス等々。

しかしダークナイト・トリロジーにおいては、マイケル・ケイン演じるアルフレッドは演技が素晴らしいのは、間違いない。

ぜひ、三部作を通じて彼の演技をご堪能いただきたい。

 

ただ、それだけでなく、彼の登場するシーン自体に意味があります。

 

ウェイン家につかえる執事なので、邸宅(これぞ本当の意味のマンションという意味での邸宅)にいるのは当然ですし、邸宅で執事としてお仕えしている場面はそうでもないのですが、問題は邸宅ではない場面。

 

「アルフレッド・ペニーワース」が、邸宅以外の場所で、なぜそこにいるのか?

特に、そこで真珠のネックレスが小道具として使われているのはどういう事か?


あいまいな書き方になりますが、アルフレッドと真珠のネックレス。

 

ネックレスは誰のものだったのか?それがどうなったのか?

ダークナイト・トリロジー」の映画のテーマを縦糸とするなら、真珠のネックレスは主人公バットマンブルース・ウェインの性格、バットマンの意味がどうなったのかを映し出す横糸、さらにアルフレッドは縦横の糸を結びつける結わい糸のように働いています。

 

繰り返しになってしまいますが、真珠のネックレスの意味や、そこにアルフレッドがいる理由はセリフではまったく語られません。場面として、ただ映るだけ。

 

しかし一作目の映画でどんなシーンで使われていたのか、それが持つ意味合いを思い出すと、ブルースの心境の変化をも描き出しているのです。この意味が分かった時にはしびれました。


某映画のように唐突に勾玉を持ち出してみたり、何の前触れもなく八岐大蛇が元寇を追い払ってみたり、天叢雲剣が空から降ってきたり、いきなりうどんが食べたいとか言わせて、それがストーリー展開上の意味が分からないことがどれだけ観客を困惑させるか。

 

映画の中で使われたアイテム、セリフ、登場人物には意味がないといけない。登場させたら、その意味を回収するべきだし、ストーリー上の意味がないなら背景の一つにしてしまって目立たせてはいけない。

 

ダークナイトでは、隠された意図まで読まなくても映画として楽しむことができます。そこからさらに映画としてそのアイテムが使われた意味、そこにある意図もきちんと描かれているので、見返したときに改めて映像で切り取られた背後の思いや心象風景を感じ取ることができる。

こういう点も映画としての完成度が別格である由縁と言えます。

④会話が重層構造になっている

ちょっと分かりにくい小題になっていますが、ある場面で使われた会話のセリフが、後にほとんど同じセリフのままでありながら、重要な意味を持つ「回答」として使われます。

以前ツイートしましたが、幼馴染で半分恋人でもあるレイチェルと再会し、久しぶりの旧交を温めようとするブルースが、レイチェルからこんな風に突き放されてしまいます。

ちょっと某教会批判ネタが含まれてしまっていますが...

 

 

このセリフの解説はこちらのツイートのリンクからどうぞ。

 

要するにブルースはレイチェルから「心の奥底がどうとか言っても、チャラチャラ遊んでるなら説得力ないわ」と言われてしまったわけです。

 

置いてきぼりにされたブルースは何も言い返せずに立ち尽くすのですが、その表情が素晴らしい。これはクリスチャン・ベールの高い演技力のなせる技です。何も語らず立っているだけなのに、その時の気持ちを下手なセリフの何億倍も雄弁に物語っています。

 

このレイチェルの問いかけに対して、ブルースがバットマンの姿で現れた時、マスクをかぶっていて顔が見えないので、レイチェルがせめて名前だけでも教えてと懇願した時、彼女のセリフを裏返しにして「自分がやってるのはこれなんだ」と答え合わせにいくわけです。

 

 

マスクをかぶっているバットマンの正体が誰なのか、そのセリフを聞いてレイチェルは悟る。

この時のレイチェル=ケイティ・ホームズの表情も素晴らしいです。バットマンの正体が幼馴染の大富豪で遊び人のはずのブルース・ウェインであったことを知った時の、驚きや安堵や安心、彼が「本当は違うんだ」という意味、そしてたった一人で悪に挑む幼馴染を心配する気持ちが合わさったら、この表情になるという最大の表情になっています。

ケイティ・ホームズについては後述します。

 

話をブルースに戻すと、彼は自分で「僕かい?僕はブルースだよ」なんて野暮なセリフは言わない。

 

※この部分はあきらかにネタバレなんですけれども、既にツイートしているから書きました。他にもこのような反射鏡のように使われるセリフがあちこちに登場します。ぜひ三部作を通じてご確認ください。


某映画については、こんな丁寧な作りこみはしていないので、比較対象として挙げる部分すらありません。

⑤音楽最高

某映画と異なり、変に説教臭い歌がセリフの邪魔をしたりしません。また第一作から三作目まで同じモチーフで曲が作られています。

そして、この曲を聞けば蝙蝠が集団で飛び交うシーンを感じます。

 

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全体の構成からBGMに至るまで、筋が通った構成、筋が通ったテーマ、筋が通ったBGMで一貫しています。

お気に入りの場面は二作目のラストシーン。

バットマンバットポッド(バイク)で走り去るシーンの印象深さは格別でした。

⑥三作目のアン・ハサウェイ最高

上でケイティ・ホームズを絶賛していますが、彼女については更に後ほど取りあげます。

結果として三部作では三人の女優が登場してしまうのですが、三作目でセリーナ・カイル/キャットウーマンとして登場するアン・ハサウェイは最高です。ダークナイト・トリロジーバットマンの最高傑作なら、キャットウーマンとしても間違いなくトップに位置します。

キャラクターの作り方も、活躍の仕方も、最後の山場のシーンなども完璧。

彼女がもう少し活躍してほしかったとも思いますが、全体の構成を考えると第二作目までは絶対に登場させられない。これは仕方ない。

それでも三作目のアン・ハサウェイは最高です。最後に出てくるシーンは... おっと、話はそこまでにしておきますか。

 

この後、どうなるの?

これだけ完ぺきなバットマン映画はちょっと見たことがなく、そのためファンから続編の呼び声も高いのですが、主人公ブルース・ウェインバットマンを演じたクリスチャン・ベールは、続編には出ないと繰り返し語っているようです。

この後は一体どうなるのでしょうか?

上でもリンクしたバットマンのキャラクターの説明でも、原作でロビンというサイドキック(サポート役・助手のような仲間)が登場します。

 

この映画では出てこないように見えるのですが、三部作の最後の最後に、この名前が出てきます。そのことを踏まえて字幕が付けられています。

 

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その人物のことを考えれば、なるほどもしかしたらバットマンは...

といった想像が搔き立てられる作り方になっています。

2023年時点では何も発表はありませんし、もう10年もたちますから、実質的に続編はないのではないかと思いますが、それぐらいファンの思い入れ、印象、続編を希望するほどの完成度であったことを物語っています。

ちょっとだけ残念な点

これほどまでに完璧と言ってもよいダークナイト・トリロジーですが、ただ一つだけ残念なのがレイチェルの役を演じるケイティ・ホームズが二作目では交代してしまうことですね。

二作目のマギー・ジレンホールも素晴らしい方で、演技自体に問題はありません。

ブルースとの会話で取り上げましたが、一作目の狂気の世界でなんとか法律を頼りに健気に立つ女性検事として屹立したイメージを確立し、ブルースの正体を知った後の演技も素晴らしかっただけに、女優さんが交代してしまったのは本当に残念でした。

一作目の映画撮影後にトム・クルーズと結婚してしまったタイミングでもあり、それが影響したのでしょうか。理由は良く分かりませんが、ともかくケイティ・ホームズは降板させられてしまいました。

ダークナイト・トリロジーで残念なのはそれぐらいと言えるほど、他は素晴らしい完成度を誇ります。


未見の方は、ぜひ一度、ダークナイト・トリロジーをご覧ください

ちょっと気合を入れて紹介してみました。

まだ未見の方で、カルト関係の皆さんには、一度、ご覧いただきたいと思います。

 

特に映画作りが趣味な某教団の元の方。

「善悪の対立を描く映画っていうのは、こうやって作るんだ」とか、「どうせ作るんだったら予算の規模が小さくても、せめてクリストファー・ノーランの爪の垢でも煎じて飲んでもらいたい!」といったことを確認頂けるのではないかと思います。

 

とは言え、バットマンは闇夜で活躍するヒーローですし、特に二作目のダークナイトは狂気のジョーカーが所せましと暴れまわるので、もしかしたら一部、お気に召さない方もいらっしゃるかもしれません。そういう方はあまり無理なさらず、楽しめる方だけご覧いただければと思います。


Amazon、U-NEXT、Netflix、HULUなどでストリーミングで提供されているようですし、レンタルでも旧作価格で借りれます。(TSUTAYAさんでは、旧作も220円に増額されていましたが...GEOは変わってないようです。)

もし最寄りに店舗があるなど、都合が合いましたら、探してみてくださいませ。

長文、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

映画感想:『愛国女子 — 紅武士道』

 

本投稿は、以前鑑賞した幸福の科学さん製作の映画、『呪い返し師 —塩子誕生』 を鑑賞した時、全然「塩子の誕生について書いてないじゃないか」と思っていたんですね。

kib.hateblo.jp

そうしましたら、なんとその前編のような映画があると伺いました。

当時は、既に続編にあたる映画が公開されているのに、その前の作品のDVDなどがリリースされておらず、閲覧の機会がありませんでしたが、偶然にも2023年1月20日に調べたところ、DVD/Blu-rayやレンタルサービスが開始されていることが分かりました。

 

https://twitter.com/KuroganeInBlack/status/1616407307642101761?s=20&t=11C0arV2ILDiWws4nBi_Ug

 

TSUTAYA、値上げする!

さっそくTSUTAYAに行ってみたのですが、驚くことに料金が値上げされていました。

 

さすがに幸福の科学さんの映画に490円?しばらく待っても220円?

うーん。それは出したくないけど、なんとか見たいなー。

Amazon Primeでも440円(標準画質。高画質なら550円だったかな)

 

調べたら、U-NEXTでもポイントは取られるものの、31日間無料のお試し価格でもらえる600ポイントで閲覧できることが分かりましたので、さっそく愛国女子を見る為だけに会員登録しました(笑

 

video.unext.jp

映画『愛国女子 紅武士道』

映画の内容はこんな感じです。前回同様、映画.comさんからお借りしてきました。

宗教家の大川隆法が原作・製作総指揮を担当し、千眼美子が未来のために立ち上がる女剣士役を演じたファンタジードラマ。ある日、街で芸能事務所にスカウトされた大学4年生の大和静は、案内された事務所で突然男たちに襲われる。しかし、道場主の父に幼いころから鍛えられ、剣道4段で全国大会優勝の腕前を持つ静は、瞬く間に男たちを倒してしまう。そんな彼女の前に、芸能事務所の社長を名乗る高山悟志という男が現れる。高山の正体は、日本を古くから守ってきた創造神「天御祖神(あめのみおやがみ)」を崇める「日本救済会議」という団体の事務局長だという。高山たちから日本が滅亡の危機に瀕していることを知らされた静は、国を守るために立ち上がり、霊的世界を舞台に日本の未来と自身の命運をかけた戦いに身を投じる。

 

予告編動画

前回も紹介したので、今回も予告動画を置いておきます。

youtu.be

映画の感想

さて、こんな形で、なんと幸福の科学さんの映画を2作も続けて鑑賞することになったわけです。私にとって一作目の「塩子誕生」が酷すぎたせいで、ハードルがダダ下がりになった状態で見たこともありますが、正直、映画作品の完成度としては「愛国女子」の方が相対的にマシに見えるという奇妙な体験でした。

さて、それではさっそく、本題に入っていきましょう。https://twitter.com/whycultwhy/status/1589279626937106434?s=20&t=A4D3BtRCGiKNQ-unvqLhkA

https://twitter.com/hinacoccoro/status/1582005156912058369?s=20&t=A4D3BtRCGiKNQ-unvqLhkA

総評

上述しましたように、本作『愛国女子』は、その次に制作された「塩子誕生」よりは映画としてみれば、相対的にまだ見られるものになっていました。

誤解のないように正確に記しますと、「塩子誕生」が酷すぎたせいで、それと比較したらマシだったという事であって、映画作品としては酷いと思いました。

 

私は幸いにも「塩子誕生」を先に見たせいで、「あれよりマシじゃないか」と思えましたが、信者の方は「相対的に見てまだ作品にはなっていた愛国女子の後で塩子誕生を見せられたり、動員させられたりするのは堪らないだろうな」という謎の同情心を覚えました。

 

それにしても、塩子誕生よりマシだったからと言って、これが映画なのか?

また、何かのメッセージを伝えるための広報的性格を持つ動画であったとしても、それは伝わったか?と考えると、非常に厳しいものがあると思います。

 

個別コメント

①全体構成がだめ:これはもう宿痾のようになっている

「塩子誕生」の時にも同じコメントをしていますが、「塩子」よりマシだから映画として成り立っているかと言われたら、全然ダメダメでした。

「塩子誕生」が全5話のオムニバス形式の映画で、各エピソードも全体の構成やバランスがダメだったのと比べると、本作「愛国女子」は全体で一つのエピソードがつながっていて、各エピソードがとっ散らかってないだけマシというだけです。

物語りを通じて描き出そうとしている世界の成り立ちや、物語展開のための登場人物や、重要な役割を果たすアイテム、舞台設定の一つ一つの意味合いを持たせないまま、急にそれが登場してきて、唐突に役割を果たしたりする。

「塩子誕生」で言えば、塩子が登場する雑誌がポンとおいてあって、なぜかそこで塩子召喚の方法が書いてあったりしてましたが、あれは記事なのか広告なのか?そうかと思えば、いきなり塩子の正体がお嬢様であることも、唐突に記事に書かれた雑誌があったりする。

後述しますが、一番端的な例として、「愛国女子」では物語の後半で突如、重要アイテムかのように登場する勾玉。

なんかあればパワーアイテムなのかなと思ったけど、なんかそんな訳でもない。本当に唐突にアイテムとして使われ、なぜか「愛国女子」に託されたけど、その役割も良く分からないまま、愛国女子が無双して最後は勝っておしまい。

 

あの勾玉に意味はあったのか?と言われると、なくても物語が成立しているし、唐突に使われただけなので意味が良く分からない。

 

一事が万事で、物語全体の構成も、主人公の来歴や背景、そして狂言回し的な役割の人がなぜその行動をするのかといった納得性もない上、上述した通り、アイテムが唐突に登場して物語が進んでみてもあまり活躍せずに話が終わる。

映画として成り立っていない、というのはこういう事です。

 

話は一本線で進むので、「塩子誕生」みたいにいつ終わるのか分からずに苦悶しながら耐えながら見るということはないけど、それでも展開が雑過ぎて娯楽作品としても、何らかのメッセージを伝えるための広報動画としてもまったく面白くありませんでした。

②展開の雑さの具体例

全体構成が雑な例として勾玉を上げましたが、最初から最後までそんな事例だらけです。

まず、冒頭のシーン。夜の寂しそうな道。あの有名な千眼美子女史がいきなり登場。どこかに急いでいるところに覆面の暴漢2名が襲ってくるのを、あっという間に撃退。誰かがそれをビデオ撮影している。たまたま居合わせたカップルに警察への通報を任せて、急いで去っていく大和静(千眼美子)。

どこに急いでいるんだろう?と思うけど、場面が変わると昼になってる。

え?彼女はなんのためにどこに急いでいたの?

暴漢が持ってたバットも暴漢の方に投げ返した状況で、素人のカップルに警察への通報とか対応を任せてたらダメじゃん。というのは、後で動画を取ってた人までグルで、完全なやらせだったことが分かるけど、カップルの彼女は無関係の人だったらしく、なんとこの男性、振られたらしい。

グルだったから警察への通報もしてないんだろうけど、雑すぎる展開。

 

大和家の存在もなんかわざと臭い会話で語られておしまいだったりする。大和家の先祖は、北辰一刀流千葉周作と非公式で戦って勝ったらしいけど、それ以後、千葉周作は他流試合を禁じるようになった程とか...

ねえ、どうなのこの雑設定...?

TVのニュース解説に出てくるのは信用できないけど、YouTubeの討論番組のこの人はマシよ、とかうへぁ!な展開からの、いきなり「新聞への投書」が文字通りいきなり採用され、それを読むYouTubeの討論番組の論客とか、設定が濃すぎんだろ。

なんか、1時間枠の仮面ライダーのショッカー軍団を見させられているような気分になったぞ。

しかも、ニュースでやってるのは「ソドラ共和国から弾道ミサイル発射!」で、地図はまるで中国。中国っぽい。ソドラはソドムからのもじり?時事ネタを映画に盛り込むなとは言わんけど、もう少しこう取り込み方とかやりようはあると思うのですけどね。

 

と思っていたら、いきなり怪しいお兄さんがやってきて、なんと「芸能プロダクション」へのスカウト!

念のために友達が事務所までついていったのに、なぜか「本人はあちらへ」と言われて、あっさり「じゃあ、頑張って」って送りだしたらダメなんじゃないの?

と思ってたら、いきなり怪しい道場で襲い掛かる暴漢4人組!

ここから高山さんとかいうリーダーが説明を始める。

先日の暴漢二人も自分たちがやらせてましたと。

 

この調子で書いていたら終わらないので、ここから超スピードで行きます。

 

いやー。超スピードと言っても、ネタだらけで、どうしようかっていうぐらいあります。

 

大和静を見つけ出す前に、天御祖神が高山リーダーに語り掛ける内容が、「愛国女子を探し出せ、そのものが日本を救うだろう。」

え?なにこれ、ナウシカ?「そのもの青き衣をまといて金色の野に降りたつべし」ってやつ?それで芸能プロとか、動画で時事問題を扱う番組作ったり、裏では道場作ったりしてるの?

そして、芸能プロでーす!といって連れてきていきなり暴漢に襲わせておいて「仲間にならない?」って、そんなアブナイ団体、さっさと縁切れよ。

と思ったら、(物語の展開上、当然なんだけど)考えさせてくださいと言っちゃう主人公。

そして、いきなり街宣やってたお姉さんたちと会話したと思ったらいつの間にメンバーに加入して街頭演説やデモしたり、いきなり投稿が掲載された新聞社に就活始めてみたり、あやしい団体で修業したら幽体離脱の訓練が始まるなり、全員簡単になんらかの幽体離脱ができちゃう。

そして主人公・大和静が幽体で出会うのは紅武士道を極めた愛国女子・大和静の守護神なんですが、これなに?巴御前

大和静というから静御前…でもないのよね。静御前白拍子として舞は上手だったでしょうけれども、あそこまで武装して登場するイメージはないと思います。

これも驚きだけど、幽体離脱の際に糸でつながったような描写をするにしても、もう少しやりようがあんだろ。

と思っていたら、実は仲間のメンバーが首相補佐官(なんと国広富之だった!)の子供だったり、その首相補佐官は大和静の父親(西岡德馬)の弟子だったとか、聞いてないよそんな話な展開が怒涛のようにやってくるけど、そんなの序の口。

幽体離脱した愛国女子3名は、揃いも揃って特殊能力を発揮します。

希島凛演じる李才華(り・さいか)は、高周波の音を口から出して対象を破壊する。なりたりな演じる日野実千(ひの・みち)は、超高速で動き、目から光を出して悪霊をやっつける。

李才華はDCワールドのブラックキャナリー

 

warnerbros.co.jp

日野実千は同じくDCワールドのフラッシュかな?

 

warnerbros.co.jp

こんなキャラクターの日本人のヒーローっていたかな?大和静が巴御前っぽいし、こんなスーパーパワーはなくて剣道が強いお姉さんだけなのに、なんで?

また大和静や李才華たちが幽体離脱している時に、いきなりどこかから暴漢たちがやってくるんだけど、ナニコレ?ソドラ共和国の工作員?いったいいつやって来たの?道場で一応、撃退しているけど、それだけ?

一方で霊界では黄泉大魔神とかいうこの世の始めからいそうなラスボスみたいのが実は八岐大蛇で、日本をずっと守ってきたのに裏切られたので黄泉大魔神になりました。はいぃ?

しかもその八岐大蛇が元寇の時の神風を引き起こした存在でした!(ギャー!)な場面まで描かれていて、展開が怒涛すぎてコスモメイトさんの友好団体、「みすず学院」の怒涛の英語力!の広告宣伝を思い出したほど。

 

閑話休題。この黄泉大魔神と最初は互角に戦っていたように見えた大和静ですが、いきなり黄泉大魔神がお腹から剣の生えたタコの足みたいなものを生やしてきて襲い掛かると、日本刀も叩き落され、危機一髪の状態に!

彼女は幽体離脱をして霊界におり、李才華も日野実千も力を使い果たして幽体離脱が解かれてしまい、もう助けに行く体力はない。どうする大和静!という緊迫した場面で、黄泉大魔神に切られて満身創痍となり、もはや幽体離脱ができないはずの高山リーダーがガッシとばかりに勾玉をつかみ、自分の首に掛けたかと思うと幽体離脱の準備をしはじめます。

お?もしかして勾玉は実は秘密の力を秘めたパワーストーンなのか?と思ってみていましたが、その後、特にそれらしい描写もなく、ヒロイン大和静もそれを受け取って首に掛けるだけです。

その勾玉があったから天叢雲剣を呼び出せるの?なんかそんな説明してたっけ?そんなすごいアイテムなら、勾玉ができた由来とか天叢雲剣との関係とか、何か分かるような伏線が置かれてませんか?なんもなかったよね。いきなり登場して、高山リーダーから大和静に何かが託された象徴っぽいアイテムというだけな感じ。


究極的に最後まで意味が分からなかったのが、ソドラ共和国から飛んでくるミサイルを操ろうとするのが黄泉大魔神なのに、霊体離脱をして霊界で黄泉大魔神を倒した上で、なぜ首相(これがまた、最近年金支払い拒否で話題の中条きよし先生ではございませんか!)を動かして、ミサイルを迎撃しないといけないのか?

 

「大和静」がいる世界の特殊なアイテムや登場人物を出すなら、その意味やら背景、そしてそれが「この世界に存在することの妥当性」をちゃんと描いてくれないと、あちこちで適当に撮影してきた動画をつなぎ合わせて一本の動画にして、なんと映画にして売り出しちゃいました!にしか見えない。

 

ここに書いたのは代表的な例であって、全編を通してこんな感じで、唐突なシーンが切り貼りされていく感じ。

そうなると「あれは何?」「なんでそうなった?」「重要そうに見えた勾玉は、結局なんだったの?」みたいに、いちいち頭のなかに「ハテナマーク」が乱立するので、映画の世界に没入できないのです。

映画として成立していない、というのはこういう点です。

③伝えたいメッセージは何だったんだろう?

本作は、「塩子誕生」ほど説教臭くないので、広報のための映画、宣教のための映画ではないのでしょう。

しかし、この映画をわざわざお金をかけて作り、信者・非信者の皆さんに見てほしいと思った点は何でしょうか?

 

ソドラ共和国がミサイルを撃ってくるから、国防に力を入れろ?

そのために国民一同、武道を学んで心身を鍛錬しろ?

大和魂は大切だぞ?

ホツマツタヱに出てくる天御祖神(あめのみおやがみ)???

主人公の大和静ら4人が修行するために必要な修行として、いきなり八正道が出てきます。えええええ?神道なの?仏教なの?

紅武士道とかいう副題から、武士道推薦?

(最後は、総裁自ら竹刀を振ってましたしね。)

ということで、あれもこれも本当に滅茶苦茶にてんこ盛りになってて、何がこの映画で本当に伝えたかったことなのか良く分からないのです。

 

④「映画で伝えたいメッセージ」もあいまいなら、映画で使われる標語も乱舞してて、覚えきれない

上の内容とも連結しているのかもしれませんが、あちこちで標語というかスローガンみたいなものが次から次へと出てきます。

 

・一日一生

冒頭、静の父ちゃんが、「一日一生とはどういう意味か?」と問いかけて、わざわざ意味を言わせている。

 

・八正道

修行の時には、「正見、正思(惟)、正語、正業、正命、正精進、正念、正定」と書かれているものを見ながら、これに沿って修行させられる。八正道の表記はなく、正思惟の代わりに正思とだけ記載されていますが、全体を見れば八正道ですよね、これ。

 

・波長同通の法則

会話の途中でいきなり「波長同通の法則」とか、何の説明もなしに使われます。

 

・至誠にして動かざるもの、いまだこれあらざるなり

大和静の同志メンバーの父親で、大和静の父親の弟子だった首相補佐官座右の銘でした。これもいきなり会話で使われる。

 

・勇気とは死を覚悟した時にでてくるものです。

幽体離脱した大和静の危機に、幽体離脱はもうできなかったはずの高山リーダーがいきなり勾玉を手にとって幽体離脱をして駆けつけ、大和静に命を懸けて伝えた言葉。

 

こんだけ次から次へと、しかも文字が表示されるものもあれば会話の中でいきなり使われるものもあって、とても覚えきれないし、何が重要なメッセージなのか?

コアとなるものはどれか、何もわかりません。

 

スパイダーマンの映画では「大いなる力には、大いなる責任が伴う」という有名なセリフがありますが、とことん、このセリフだけです。このセリフがでたらスパイダーマンが思い浮かぶほど。

そして作品が変わっても、必ずピーター・パーカーが持たされた力と、その使命を背負う重さを反芻しながら物語が進む。

 

dic.pixiv.net

これと比べて、次から次へと北斗の拳ジョジョスタープラチナみたいに乱れ撃ちで繰り出されるスローガンの数々に、視聴者のエネルギーはゼロよ!

 

どれほど映画を見ていて困惑するだけなのか、映画の製作陣は本当に反省してください。何が言いたいのか、本当の本当に分かりません。

 

⑤ラスボスの設定が杜撰

上でも少し触れましたが、八岐大蛇が日本をずっと守ってきたのに裏切られたので黄泉大魔神になったというのも良く分からない。

いきなり元寇のシーンでキングギドラみたいな黄金の羽が生えた八岐大蛇が大嵐を巻き起こして元寇を撃退するシーンが唐突に出てくるけど、本当に唐突過ぎて面食らいましたよ。

何ですかあれ?その八岐大蛇が裏切られて、黄泉大魔神になるの?

いやー。なんかそういう設定にするにしても、もうちょっとこの、なんというか描き方とか導入の仕方があるでしょうよ。

 

八岐大蛇は素戔嗚に酒を飲まされて退治された大蛇で、その尻尾からでてきたのが天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)。

ja.wikipedia.org

この天叢雲剣もいきなり天から降ってきて、アーサー王の伝説の剣のように岩に刺さった状態で現れて、案の定なんの問題もなく大和静がそれを抜いて、どんだけ盛り上がるヤマ場になるのかなと思ったら、文字通り一刀両断して真っ二つになって終わっちゃったよ。

 

えええええ?

元寇の大群を大嵐で追い返す能力を持った存在が、あっさりそれ?

と思ってみてたら「塩子誕生」の赤鬼のように、元の役割を果たしなさいと大和静にいわれて、涙を流してありがとうと言って、金色に輝く八岐大蛇が天上界に戻っていきましたとさ。

 

えええええ?

 

と思って驚いてたら、こんなもので驚いちゃいけない。

上でも書いたように霊界で黄泉大魔神を倒すのと合わせて、ソドラ共和国のミサイルを迎撃するために中条きよし氏演じる首相を説得せなならんのか謎だと思ってたんだけども、本当に首相補佐官の説得で首相が迎撃ミサイルを発射!

 

と思ってたら、なんとこの迎撃ミサイルを八岐大蛇が後ろから煽って、ソドラ共和国のミサイルが迎撃されました。

 

えええええ?

 

めでたしめでたし...

......なの、これ?

もう頭がパンクしそうよ!

 

⑥音楽、本当にどうにかして

ここまで書いてきただけでもうおなか一杯なんだけども、これだけはやっぱり言っておきたい。

正直、映画としてダメなのは間違いないんだけども、なんの遠慮も会釈もなしに割り込んでくる歌をやめて、別なBGMだけにするだけで映画の出来栄えがはるかに向上すると思います。

 

唐突に歌が始まったと思ったらそこに俳優がセリフを言いだす。両者が被るので聞いてると混乱する。

そして歌詞がまた酷い。

 

例えば「天叢雲剣」が唐突に現れるシーンの歌。

降りてくる 降りてくる 降りてくる
遥かなる彼方から

降りてくる 降りてくる 降りてくる
遥かなる宇宙より この大和の国を作らんと

 

ヽ(・ω・)/ズコー

 

三回繰り返すのが好きなのはわかったし、技法としては効果的なのは知ってるんだけど、やりすぎなのよ。

そして「塩子誕生」の時にも感じたんだけど、今回の映画ではっきりしたのが、「キミ」を多用しすぎなのと、歌詞がうまく音符にのっていないから、聞いていて耳に入ってこない。

歌詞が何かを唄ってるけど、素人がなんとかひねり出しました感が満載の陳腐な言葉を連ねるので聞いててなんとも言えない脱力感にさいなまれてしまいます。

さらにダメ押しで、映画の内容とテーマソングが合致してないので、映画の最後に流れてきても、映画の内容をかみしめることができない。

 

その端的な例が最後のテーマ曲、「愛国女子は往く」(もう、タイトルへのツッコミは禁止にしといてやんよ)

 

愛国女子は往く

 

何が悲しくて
君はそんなにも強いの
紫電一閃 Flash
君の刃は、闇を切り裂く
君に襲い掛かる魔物たち
おおきくて、恐くて
口が耳まで裂けて
赤い舌に白い牙
恐ろしい爪が
君の首を 命を狙う

(中略)

愛国女子は遥かなり
孤独の中 君は知った
ヒロインは独りではないと
強さこそ君の愛
弱きを救う 君の涙

 

「何が悲しくて」って、エンディングのテーマソングの冒頭で使うか?その表現は辞書的には、こんな風に説明されています。(強調は管理人)

話し手から見て意欲が湧かず憤りすら覚える行為をする必要に自分自身あるいは第三者が迫られた場合にその行為を修飾する表現

 

ja.wiktionary.org

こんな意欲がわかず憤りを感じるような必要性に迫られる行為につく修飾語の次の歌詞がすごい。「君はそんなにも強いの」

...

なんとか我慢したけど、ダメだ。

_(┐「ε:)_(ズコー)

 

いや、違うだろ普通。

「何が悲しくて 君はそんなにも強いの」...?

 

そして、ここでも「キミ」が使われているけど、次から次へと「キミ」のたたき売り。

本当にうんざりするほど「キミ(君)」が出てくる。

 

歌詞に登場する「襲い掛かる魔物たち」は、別に大きくないし(恐そうだけど)、口が耳まで裂けてないし、赤い舌に白い牙もそれほど目立つほどじゃない。

 

「ヒロインは独りではないと」は、音の数と音符とがあってないので、聞いた瞬間に聞き取れない。

 

製作陣の皆さんには、本当にこの変な歌をかぶせるのをやめるだけで映画の印象が変わりますよ、とお伝えしておきたいです。

 

⑦なんというか、雑記メモのようなもの

今回は映画館ではなく自宅でストリーミングサービスで鑑賞したので、途中でメモを取ることができました。

本当は倍ぐらいにツッコミどころがあるのですが、もう収拾がつかなくなるのと、それらをまとめるカテゴリの設定すらできません。

それでもあえて、これだけは書いておきたいと思ったことを3つほど、この雑記メモとして書いておきます。

 

ア)地味に統一教会共産党の批判してる?

主人公・大和静がトントン拍子でメンバーに加わり、街頭演説しているところに、いきなり鉄パイプで殴りかかる暴漢がでてくるのですが、ニュース動画で、なんと「元共生党運動員」として紹介されていました。もう大爆笑。

それから、この団体のリーダーだった高山さんが語るには、「日本にはソドラのスパイが数多く侵入し、政治家やマスコミ、言論人を取り込み、世論を操作している。そして、それを霊界から操っている奴がいる。」とか語り始めて、「ちょ、おま、それ統一教会のことじゃん!」と、こちらも爆笑が止められませんでした。

 

イ)大和静、なんと武蔵や小次郎とも戦える実力がある!

投書を取りあげてくれた新聞社への就活は大失敗でしたが、映画のエンディングで、父親の道場を継ぐことにすると話をすると、父親のセリフがすごい。

武蔵や小次郎とも戦える実力があるって、いやー。それはいくらなんでも盛りすぎちゃいますやろか。

武蔵と戦えるおなごはあずみだけだで。

 

www.shogakukan.co.jp

 

ウ)千眼美子希島凛の教団内での立場は変わっちゃったの?

今回の映画では、千眼美子さんが主人公でした。

千眼美子:主人公 大和 静(剣道の達人)
希島 凛:助演  李 才華(空手の達人)

 

この次の映画、「塩子誕生」では千眼美子さんはでてこず、主人公 賀茂野塩子役は希島凛さんが務めています。

つまり、「愛国女子」と「塩子誕生」は別映画ということですね。

 

2作を見る限りでは、私は個人的には千眼美子さんの方が演技力はあるように思いました。「塩子誕生」では大川総裁の奥さんの名前をもじったヒロインにまで抜擢された希島さんに対して、千眼さんは端役としての登場もしていません。こういう団体でよくある、総裁の眼鏡にかなわなければ外されていく、というようなことにならないと良いのですが。


もう幸福の科学のプロダクション以外で女優を務めることはできないのでしょうし、宗教的な情熱に基づく選択とは言え、残念な結果にならないことを祈らざるを得ません。

 

最後に

愛国女子、アクション映画としては「塩子誕生」よりは楽しめましたが、その分、残念なことも多数目立ってしまいました。

「ネタ映画」としてブログ記事のための鑑賞には適しているかもしれません。

次の映画がどういうことになるのか、温かく見守りたいと思います。

小説「終戦のローレライ」と嘘と真実と

 

何がきっかけという事ではないのだけれども、ふと思い出したことがあった。

Twitterでは文字数が多すぎるので、ブログに書いておくことにしたい。

 

思い返せば、私がブログを始めたころ、福井晴敏の「亡国のイージス」が発売されて、なぜか元信者界隈で大ヒットしていたことを思い出す。

 

作家の福井晴敏氏が終戦のローレライを書いたとき、1%の嘘をつくために99%の真実を書かないと、1%の嘘が成り立たない、みたいな発言をしていたことがある。

虚構であることが明らかな空想小説であってすら、たった1%の嘘をつくために、そこまで神経を使った。

 

honto.jp

www.amazon.co.jp

たとえば「終戦のローレライ」に搭乗する潜水艦「伊五〇七」は、物語の設定では「フランスの潜水艦シュルクーフは、ドイツ海軍に鹵獲され、後に日本へ回航された」ということになっている。また潜水艦なのに20.3cm連装砲塔があるという異形なモデルだ。

そんなものが第2次世界大戦当時にあるわけが...と言いたいところだが、このシュルクーフは実在の潜水艦で、作中の設定どおりフランスで建造され、連装砲塔もついているが、作戦行動中に消息不明になっている。

 

この消息不明というのが「実はドイツが鹵獲していて」という形で小説の世界に取り込んでいるわけだ。

 

ja.wikipedia.org

 

また作品には大和田通信所という帝国軍の通信施設を通じて、電信のやり取りをしている場面が出てくるが、小説が出た当時、実際に大和田通信所に勤務していた方が、その描写の正確さを見て驚いたという話が当時ブログか何かに掲載されていたのを見たことがある。

 

ja.wikipedia.org

 

潜水艦シュルクーフは主要な設定だろうが、大和田通信所の描写など物語全体からすれば些細なことにしか過ぎない。

しかし、その些細な描写のために大戦当時にそこに勤務していた人すら驚くほどの正確な描写を積み重ねて初めて、1%の嘘を盛り込めたということになる。

 

ちなみに「終戦のローレライ」は第二次世界大戦を舞台にして、海中で「機動戦士ガンダム」をやったような作品なんだけれども、この架空の物語をそれらしくでっち上げるために膨大な事実の積み重ねをし、そのなかにほんの少しだけ嘘をまぜて小説にした。

 

これに対して、現実世界で人をだまして己の欲望のために利用しようとすれば、それ以上に真実性がある話を持ってこなければならない。

 

悪徳宗教は非常にやりやすい点があって、原理講論の前編の様に誰も裏付けや確認ができないことをごちゃごちゃと積み重ねて、それらしく見せかけることができる。つまり、小説ですら1%の嘘をつくために必要だった99%もの真実を持ってこなくても良いことになる。

 

このため、「誰も裏付けが取れない真理」に立脚した「神の摂理」を展開した結果、誰も幸せにならないのに、家庭の幸せを主張するような歪な組織ができあがった。「終戦のローレライ」なら娯楽作品として楽しんだり、好きじゃないなら読まなければ良いだけだ。誰の迷惑にもならない。

 

しかし悪徳宗教だけはだめだ。

 

好きな人が楽しめば良い、という訳に行かない。放置しておけば被害が拡大する。

 

その主張には、10%ぐらいは事実があるかもしれないが、残りの90%が嘘と仮定と想像(あるいは妄想)によってつくられた架空の理想論だけでできている。

 

「私たちの居場所を認めてほしい」という信者たちは、自分たちが架空の理想論に執着していることを認めて、現実世界と折り合いをつけずに、自分たちの世界だけで生きる選択をすべきだろう。

 

この世に関わらないのであれば、誰も信者の思想・信条の自由に踏み込むつもりはない。この世に関わりたいのであれば、この世のルールを守り、尊重し、法律を守る善良な社会人として生きるべき。

 

自分たちの手前勝手な教義に立脚して、法律を無視したり、人をだましたりすべき正義はないと思う。

About six months after the attack on former Prime Minister Abe, about the current situation of the suspect No. 2

This article is a continuation of the first part here.

 

kib.hateblo.jp

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本投稿は以下の記事のDeepL翻訳(一部、管理人修正済み)です。

 shueisha.online

 

The gifts were an English-Japanese dictionary, an English proficiency test reference book...

"I don't care about the Unification Church or the relief bill. All I care about is Tetsuya's future."

 

This is the paternal uncle of Tetsuya Yamagami, 42, who shot former Prime Minister Shinzo Abe. In his tone of voice, I could tell that I sensed a strong, undisturbed desire from the uncle to put the past behind him and think only of how the suspect, Tetsuya Yamagami, should live his life from now on.
What is the suspect thinking now at the detention center, after the incident on July 8?

 

"Tetsuya's sister, who has been visiting Tetsuya, tells me that Tetsuya is doing well. He has been given food, clothing, and shelter, and he doesn't have this much free time. His sister has given him an English-Japanese dictionary and I have given him a reference book for the English proficiency test. But Tetsuya doesn't seem to be studying at all, and his sister seems to be getting angry with him."

 

On December 10, a bill to provide relief to victims of the former Unification Church was passed. The crackdown on the Unification Church has become increasingly severe.

"The LDP probably passed the relief bill because they don't want to comply with the dissolution request. If the Unification Church is dissolved, it will become a liquidating corporation. Then the court will appoint a full-time liquidator, and its internal documents will be available, and we will know how much money was transferred to Abe's video message. That's why they don't want to dissolve it."

 

Although his uncle was quick to dismiss the Unification Church as unimportant, he did express doubt about the extended period of time Yamagami was detained for Psyche evaluation. Currently, Tetsuya is detained at the Osaka Detention Center until January 10.

Initially, the expert testimony detention of the Yamagami suspect was scheduled to last until November 29, but at the request of the Nara District Public Prosecutors Office, it was extended until February 6 next year. In response, the defense filed a quasi-appeal, and the district court issued a decision to shorten the period to January 10.

The district attorney again asked for an extension of the period of expert testimony detention, and the summary court granted the extension until January 23, but the district court reversed the summary court's decision and again set the date to January 10.

The uncle said, "Tetsuya would be patient for 2 months, but I think 4 months would be too much for my cousin.I talked with the prosecutor for about two hours during the Psyche evaluation, but all we did was just small talks. There was no need for the evaluation. The fact that the summary court, and not the district court, extended the detention period for the expert testimony suggests that the prosecutors thought that the summary court would do what they wanted."

 

On December 24, it was learned that the Nara District Public Prosecutors Office had decided to indict Yamagami for murder.

"I am not convinced. I have always wondered if it was really necessary to have an expert opinion in the first place," said the uncle.

 

He's in his mid-60's when he gets out after serving his sentence?

"I have no interest in the Unification Church or any of its victims. I am just doing it for Tetsuya. His sentence will probably be 25 years, on parole, and he will get out in 22 or 23 years. I have three sons, too, and I tell them, 'When Tetsuya gets out, I'm counting on you. They all agree. Tetsuya used to come here to play. My children all call him Tecchan, and they are like brothers. There is a temple in Wakayama that is related to our ancestors, and we used to go there together."

Currently, the uncle is preparing money for him, when Yamagami completes his sentence and is released from prison.

 

After Yamagami's father committed suicide in 1984, his wife donated 60 million yen of his life insurance money to the Unification Church. She also donated another 40 million yen in 1998 after selling land and a house she inherited from her late father. In total, she paid about 100 million yen to the Unification Church, but Yamagami's uncle got about 50 million yen back from 2005 to 2014.

"In 2004, when Yamagami's mother went to Korea and didn't come back, she was behind on her rent, and her children were without food, I sent many faxes to the Unification Church asking for a refund. But the Unification Church never responded, and when they did, all they would say was, "Just Wait". But when Tetsuya attempted suicide in 2005, they rushed to refund their money.
In the future, when Tetsuya completes his sentence and gets out, he needs the money. That's why we are preparing now. I also said to the Unification Church, 'How much are you going to pay him? But the Unification Church is on the run right now."

 

In a file placed in front of his uncle, there are letters addressed to the Unification Church, as well as detailed notes with contact information and details of reporters who have interviewed, showing his compassion for Yamagami.

It seems that support for the suspect Yamagami is spreading throughout society. His uncle has received many supplies and other items from all over Japan.

He says, "Things have calmed down recently, but we are still receiving clothes, cushions, snacks, money-charged cards, and many other useful things. Some people even send us cash. He says he wants all of them to be sent back to the senders."

 

The detention center where Yamagami is being held has also received many supplies, and those that cannot be stored are being kept at his uncle's house.

 

The video message that triggered the incident, and Corona

"If only it hadn't been for Corona," the uncle mused.

 

"Tetsuya's sister was probably the smartest of the three siblings. But she had to drop out of high school due to financial problems. After that, she took the University Entrance Qualification Examination, but she got a job and started living on her own.
I met Tetsuya's sister in 2020, I think, before Corona became popular, and we were talking about the future. When I asked her about her savings, I was surprised to hear that she had none. After paying rent, food, and a scholarship out of her monthly salary, she had nothing left, so I paid off the entire scholarship myself. I convinced myself that when I cleared those problems of Tetsuya's sister, I will do it for Tetsuya next, but then I couldn't see Tetsuya in Corona anymore."

 

Despite her poverty, Tetsuya's sister was trying her best to rebuild her life. Meanwhile, the suspect, Yamagami, became even more isolated in the Corona whirlpool. In 2020, when his uncle and Yamagami's sister had found a path to the future, Yamagami registered with a temporary employment agency and discovered the video while working at a factory.

It was a video message from former Prime Minister Shinzo Abe to the Union for Peace in the Universe (UPF), an affiliate organization founded by Unification Church founder Moon Myung Moon and his wife.

 

"I highly appreciate the emphasis on the value of the family in UPF's vision for peace." said Shinzo Abe, former Prime Minister of Japan, in the videotaped message.

 

The person whom Prime Minister Abe praised was unmistakably the enemy who had destroyed Yamagami's "family.

And then, on July 8, 2022, at 11:31 a.m., the incident occurred....

 

"Why don't you go see the suspect in Yamagami?" I asked Yamagami's uncle, but he shook his head.

"I heard from his sister that Tetsuya was apologizing to me. I would feel sorry if I met Tetsuya, wouldn't I? That's why I won't go see him. I don't intend to appear as a witness in future trials either. I already told everything to the prosecutor right after the incident."

Then, the uncle recounted the suspect as below.

"Tetsuya is very kind. Tetsuya is so kind that he protects his sister. That's why his sister doesn't have that much hatred toward the Unification Church. That's because Tetsuya took the Unification Church in his stride and protected his sister. That is why she still calls him "Tecchan" and adores him.
That kind of attitudes reminds me of my brother, Tetsuya's father. I read in an article somewhere that my brother was over drunk and violated his wife, but that's not true. Immediately after the incident, the prosecutor came and asked his wife what kind of person my brother was. She looked up and said, 'He was a kind person'. My brother was too kind. Tetsuya is the same."

 

As I have said many times, "Blood is thicker than water."

The uncle compares his nephew, Yamagami, to his younger brother (Yamagami's father) who committed suicide in 1984. He says emphatically, "I will continue to support Tetsuya as hard as I can."

 

"My mother passed away, too, but I thought my brother said to me, 'Take care of my mother,' and I've been doing that ever since. So I'm doing my best to take care of Tetsuya as if my brother had said to me, 'Brother, take care of my child. It's natural. I take care of Tetsuya as if he were my own son. It is the same with Tetsuya's sister. The law says that the obligation to support immediate family members is written in the law. The duty of support means that if you eat one meal, you have to divide it into two."

 

"I do it for Tetsuya's sake, for when Tetsuya comes out. That is the only way. He is my brother's child, so I will do anything. It's a matter of course. I've said it many times, blood is thicker than water."

 

His uncle and other relatives continue to wait for the day when Yamagami will step "outside the walls".

What will Yamagami be thinking at the end of December, 2022, when he passes the New Year?

 

Reporting and writing by Sunao Matsuba,

Editorial Department News Team, Shueisha Online

About six months after the attack on former Prime Minister Abe, about the current situation of the suspect No. 1

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shueisha.online

About six months have passed since the shooting of former Prime Minister Abe. Tetsuya's brother did not receive adequate medical treatment, and his mother, who had left home, mumbled to his sister that she was sorry..." The family was torn apart because of the Unification Church...

 

On July 8, 2022, at around 11:30 a.m., former Prime Minister Shinzo Abe was struck by a bullet while making a speech in support of the Upper House election in Nara Prefecture. Yamagami Tetsuya, 42, who was sent to prison on suspicion of murder, is currently in Osaka Detention Center. The deadline for his psychiatric expert testimony is January 10, and the suspect is scheduled to be indicted for murder. The murder of the former prime minister, a case of unparalleled magnitude in the postwar era, was committed by Yamagami.... We take a look back at the background of the case, based on the testimony of his uncle.

Sunao Matsuba
Editorial Department News Team, Shueisha Online

If only we had let him divorce then..... Yamagami's father killed himself and that drove his mother felt cornered

The Unification Church, the "original enemy" of Tetsuya Yamagami, 42, who lost his mother and destroyed his family, has been taken up as a major issue in the Diet, and the Victims Relief Bill has been passed. The winds against the UC have never been stronger.
The act of Yamagami, who used a gun and took a precious life, is unforgivable under any circumstances, but it is also true that public opinion has shown great sympathy for Yamagami's upbringing.

 

We asked his paternal uncle, 78, who has supported Yamagami since he was a child and continues to do his best to support him even now that he is in jail, about what kind of person Yamagami was.

 

"I think Tetsuya is happy. He has lived his whole life thinking that he hates the Unification Church. I think he is now at a time of peace that he has never had before. I just don't know what he will do from now on. ......" (uncle)

 

When I told his uncle, who was thinking about his nephew's "future," that I wanted to hear about Yamagami's childhood, he hesitated at first, but then, puffing on his cigarette and occasionally looking at the upper right corner of the room, began to talk about his memories of his nephew.

 

"When my mother was alive, I used to meet my three children, and Tetsuya, at the station, have dinner, ask them how they were doing, and give him some money. I was working at the time and couldn't see him, so my mother used to say to my wife, 'Tetsuya and his siblings are in trouble. My mother would say to my wife, "Tetsuya and the others are in need, so how much do you want? I did as she asked and gave her the money. From 1985, the year after my brother's death, until 1994, when I learned that Tetsuya's mother had turned to the Unification Church, I had been supporting them. But when her father died in 1998, I resumed my support and continued to support her until 2017."

 

Yamagami's father took his own life in 1984. Three years before that, Yamagami's mother lost her own mother, and her uncle speculates that she lost her emotional prop. Even before the death of her husband, she was already mentally unstable. Yamagami's father graduated from Kyoto University's Faculty of Engineering and worked for a major general contractor before joining a construction company owned by her mother's father.

 

The younger brother (Yamagami's father) did not match the personality of his wife's father. He had a hard time, and he wanted to do research after graduating from graduate school. But he couldn't get along with a field that prioritized profit. Working for his father, who prioritized profit, was too much for him. 

 

One year before he committed suicide, he brought Tetsuya's older brother back here and told me and my mother that he wanted a divorce. But my brother and I knew that our mother had gone through a hard time after her divorce, so we said, 'You can't sacrifice your children'. Later, when I asked his wife about it, she told me that my brother said, "I have no place to go back to". I think that if I had taken him in at that time, it wouldn't have turned out like this, but that was fate, too.

 

Yamagami's brother, who had childhood cancer, lost one eye at age 10.

When we talked to him, Yamagami's uncle sometimes uttered the word "Tenmei" ("The Will of Heaven"). It is a family motto of the Yamagami family.

"For Yamagami's mother, her own mother (Tetsuya's grandmother) was the pillar of support. When her mother passed away, her relationship with her father (Tetsuya's grandfather) became unstable, and my brother (Tetsuya's father) also died, which led her to the Unification Church."

She lost her loving mother and husband, and it was too hard for her to support her three children, ages 5, 4, and still in her belly.

This is also stated on Yamagami's Twitter page.

"I was a fake. To be loved by my father, my mother, and my grandfather. I was four years old when I refused my father's request for help in his hospital bed, in response to my mother's expectations. Shortly thereafter, my father jumped off the hospital roof. I killed him."

What put Yamagami's mother in an even more difficult situation was the illness of her eldest son. Yamagami's older brother had been diagnosed with childhood cancer. In addition to raising three young children, she had to take care of her eldest son.

Yamagami's depleted love for his mother is vividly described on Twitter.

"Of my three siblings, the older brother underwent surgery to open his head shortly after birth, and around the age of 10 he was surgically blinded in one eye. Although he was not handicapped, his mother's heart was always with his older brother. My younger sister never knew her father. I tried. For my mother."

 

The death of her own mother, her husband's suicide, raising three young children, and her son's illnesses were too cruel a life for a single woman to bear.

Tetsuya's brother's suicide drove her into a corner.

In August 1994, a note left by his uncle's wife stated, "She became a member of the Unification Church."

 

When his uncle learned that the living expenses he had been supporting were going to the Unification Church, he temporarily cut off his financial support. Later, the uncle learned that Yamagami's mother had donated 60 million yen of her husband's life insurance money to the Unification Church.

 

"In 1998, when the father of Yamagami's mother died, she sold the land and house she had inherited and donated another 40 million yen. In total, he put about 100 million yen into the Unification Church."

Her uncle revealed his memorable history with the Unification Church and Yamagami's mother.

"I think it was 2004 when I received a call from Tetsuya saying that there was no food in his house. My wife and I rushed to the house with sushi and 100,000 yen for unpaid electricity and other bills. When my wife opened the refrigerator, she found that there was nothing in it, because Yamagami's mother had gone to Korea and did not come back. After that, I started sending canned food as part of their allowance."

 

As his family was falling apart, Yamagami struggled to survive. He attended one of the best high schools in the prefecture, but gave up college due to financial difficulties. After attending a vocational school, he enlisted in the Maritime Self-Defense Force in 2002. However, in 2005, he attempted suicide. The reason was that he wanted to give the insurance money to his brother and sister. Yamagami changed the beneficiary of the insurance money from his mother to his brother, and was trying his best to support his family. (Red color was added by KIB)

 

"Her own child attempted suicide, but Yamagami's mother went to Korea and didn't come back.
At that time, only Tetsuya was living with my mother, but after learning of his brother and sister's destitution at New Year's 2005, he then attempted suicide in Hiroshima, where he was assigned.

Tetsuya said, 'The Unification Church destroyed my life. My sister and brother can't make ends meet,' he said. Also, "I want to pay for it with my life insurance." added he. After his suicide attempt, we were thinking of taking Tetsuya in, but my wife had just fallen ill and it was difficult."

 

Trying his best to live and rebuild his family, Yamagami obtained a certification as a financial planner, but more misfortune struck: in 2015, his older brother committed suicide.

 

"I was just laid up from cancer surgery myself. Tetsuya's brother called me and said he was going into the hospital and wanted me to follow him, but I couldn't move. When he asked me to follow him to the hospital, he meant he wanted me to pay for his treatment. In the end, he didn't receive any good treatment. After that, he committed suicide.
Some article said that Tetsuya's brother lost his mind and pointed a kitchen knife at me, but that is a big mistake. Tetsuya's brother never did that to me."

 

Ironically, in his graduation book as a child, Tetsuya's brother listed "president" as his dream for the future.

"Tetsuya's brother was really smart, as was Tetsuya. He was aiming for Tokyo University. In his room, there were books on philosophy and reference books for the entrance examination to the University of Tokyo. Tetsuya's brother was too sick to go outside, so he had no choice but to study."

 

However, the disease gradually took its toll on his brother's body, causing him to lose his thirst for life.
Yamagami, who had lost his brother, the only person who understood him, was driven to madness.

The casual routine of his mother and sister.

"I don't blame his mother. I believe it is all the Unification Church's fault. When I talk to her, we don't get along. I have been telling her for a long time that she should get proper treatment. Everyone is writing about her as if she is a demon mother, but she is just sick.
Her mother passed away, my brother (Tetsuya's father) committed suicide, her children got sick, and she herself could have died. She was in a situation where she herself could have died. She went to the Unification Church as if she was clinging to the church. No matter what I did to get her to leave the church, it was impossible."

 

Yamagami's Twitter account also describes the pain and suffering of his family.

"When I was 14 years old, the family broke up. My grandfather, who was over 70 and suffering from the collapse of the bubble economy, was furious with my mother, or more accurately, he was in despair. That's when he took out a kitchen knife."

 

The uncle said, "You can't just threaten them. I have to get her to undergo treatment. But how hard is it to get her to go to treatment? Everyone calls it mind control, but it's not that kind. Her brain has been damaged."

 

Why didn't the three siblings, including Yamagami, choose to say goodbye to their mother, who was involved in the Unification Church? 

 

"She was their mother. Tetsuya's sister also said, 'Mom, mommy,' even while her mother was immersed in the Unification Church. No matter how many times she betrayed them, she is still a mother to all three of them."

 

On July 8, 2022, the day of the incident, the uncle immediately called Tetsuya's mother and sister to his house for protection, where they lived with their mother and sister for about a month.

He said, "When they came, they really looked different, like they were already practicing their faith. I was there for about 20 days. She ordered vegetables and other things from Amazon.com and started cooking here.
I did my best to avoid seeing them. He seemed to be having a lot of fun with her daughter. Seeing them together, I think that if it weren't for the Unification Church, they would have led this kind of life."

 

A life of mother and daughter living together without a care in the world.... If only Yamagami and her brother had been there, she could have had the ordinary, normal parent-child life that she so desperately wanted.

"Thank you, brother."

As the uncle was pulling weeds in the garden with Tetsuya's sister, his mother suddenly murmured from the living room.

She said, "Thank you for Tetsuya and Tetsuya's sister. I've never heard that before."

 

His mother left the next day, saying, "I want to hold the press conference..."

A life, with full of ordinary, everyday things... It was the former Unification Church that destroyed it.

They were living on the second floor of Yamagami's uncle's house when, unbeknownst to him, they received a call from the Unification Church. My uncle testified that at that moment, Tetsuya's mother's face changed.

"Her eyes looked different. One day before she left, she knocked on my door and said, 'Brother, I need to talk to you. She wanted to hold a press conference to talk about how sorry she was to the public, 'I am sorry for Mr. Abe. I told her to take it outside, and the next day she left with the cat she had brought with her. I don't know where she went from there."

 

Yamagami's sister, who had already left her uncle's house a bit earlier for work and was living alone, came to his house as soon as he informed her that her mother had left.

"That day, Tetsuya's sister called and texted her mother all day long, but she couldn't reach her at all. I went to bed at 2 or 3 a.m., but his sister seemed to have been contacting her all night. The next day, she had a tearful look on her face, so I asked her what was wrong. She said, 'My mother want to apologize to Mr. Abe! She has never apologized to me or Tetsuya before!' This seemed to be the first time she blamed his mother."

 

According to Yamagami's sister, her mother only mumbled "I'm sorry" to her daughter over the phone in a hoarse voice.

 

"To Tetsuya and his sister, she is a mother to them to no end. That's because she's a human being. That's our destiny."

 

The uncle, who said, "Blood is thicker than water," was trying his best to be close to Yamagami and the other three children as if they were his own children.

 

To be continued to the second part...

kib.hateblo.jp

Unification Church "Adoption" of the Second Generation: What was the purpose of my birth?

This post is a DeepL translation (partially revised by the blog administrator) of the following article.

本投稿は以下の記事のDeepL翻訳(一部、管理人修正済み)です。

www.nhk.jp

 

Unification Church "Adoption" of the Second Generation: What was the purpose of my birth?

NHK

November 15, 2022 6:30 p.m. Posted

Close-Up Today has reported on a number of issues concerning the Unification Church. The report includes "high donations," "human rights of the second generation of religious believers," and so on. Currently, the Diet is debating a bill to provide relief to the victims.

Furthermore, information received by our reporter from inside the cult has revealed a "new problem". It is about the "adoption" of children of believers. It is suspected that the cult is actively encouraging families who have had children to give their children up for an adoption to families who have not had children.

The team met with actual "second-generation religious people" who were adopted. During the lengthy interview, they shared their experiences of struggling with the meaning of their own existence, wondering if they had been born as a tool of a religious doctrine.

◆ Why was I the only adopted child...? Struggle of the 2nd Generation

Ms. Youjiyo (pseudonym, female in her 20s) is a former believer who agreed to be interviewed. She still lives with her mother, who is a believer, and her father, who has left the church. Her parents have had a difficult relationship ever since she can remember, and now they only try to communicate with each other through her. Youjiyo hopes to leave home in the near future. However, due to financial difficulties, she is unable to rent a room to live alone.

The "parents" she lives with are her "foster parents," while her "birth parents" are other people.

Youjiyo was put up for an adoption by her parents, who were members of the Unification Church, shortly after she was born. She was four years old when she learned that she was adopted.

Youjiyo-san: 

"When I asked them with the curiosity of a child, "How was I born?" They told me, "You are from a different family". I later found out that I had three other siblings, and that somehow I had been separated from my real family and sent to a different family. When I asked myself why I was the only one who had to be adopted, I felt that something was wrong with me and I was abandoned."

 

◆ Wasn't I born as a tool of doctrine?

Japanese law states that the adoption of a minor child must be in the best interest of the child.

However, a book describing the teachings of the Unification Church stated, "Sharing [children] with families without children is responding to God's desire," and "the Unification Church adoptions are done with God's heart at the center, unlike adoptions done in general."

Furthermore, the Church encourages adoptions by giving awards to believers who give their own children for adoptions. As Youjiyo-san grew older, she began to wonder if she had been born as a tool of the cult's doctrine, and she began to struggle with the meaning of her existence.

 

Youjiyo-san: 

"It is just a thing, literally. A thing used to accomplish a doctrine. Anyway, in the Unification Church, we are told to have as many children as possible, and when we have many children, we are told to have those children adopted for other couples who cannot have children. I can only think that I am being used because they do not have children to make children happy, but to make their parents and, by extension, the church happy. Who am I, why am I here, what am I doing, what am I living for...? I became more and more confused."

 

Youjiyo, who had lost the meaning of her existence, tried to take her own life away three years ago. Later, at the hospital where she was taken, her adoptive mother's words drove her further into a corner.

  

Youjiyo:.

"The first thing she said to me was, 'If you commit suicide, you will go to hell'. In the Church, it is said that if a person commits suicide, he or her family will go to hell. I felt the horror of brainwashing, thinking like 'Yeah, you can say that in a situation like this'. It was like a "family game" in which only the form of the doctrine was achieved, or a relationship like a family without any substance. The situation was a living hell for me.

 

◆ Problems as Seen by Experts

According to the church's handbook published in 2014, the church has established rules for its members to systematically manage adoptions, such as the requirement to report to the Family Education Department "whenever an agreement is reached between two families. In addition, according to former church members, an organization called the "Family Department" at the Church headquarter took the lead in soliciting adoption applications through the local church family departments, and the headquarter "matched" the applications.

Experts point out that the Unification Church is suspected of violating the law by engaging in unlicensed "mediation" of adoptions, which requires a license from the prefectural governor.

 

Professor Masayuki Tanamura of Waseda University School of Law (a member of the Study Group on the National Adoption System)

"There is a possibility that this issue may violate the Child Welfare Law, the Civil Code, and the Adoption Mediation Law, so we would like the government to conduct a fact-finding survey.

In general, there is no problem for religious organizations to obtain a license for "mediation business" for the welfare of children for charitable purposes or as part of their religious activities, and to do so legally. However, the Unification Church's act this time is to move children from a family with many children to a family with no children, just among its followers. Formally, they may be talking about the interests of the children, but they are not saying, 'If you don't have children, you don't have a complete family. Love is not complete without children.' I believe that mediation has been conducted from a very adult and organizational perspective. I feel that this is a very big problem here.

If adoption is done from a doctrine-first perspective among believers, it may create pressure to force the child to be adopted. Will there be a conflict of interest because we cannot make a neutral and fair decision as to whether the adoption is necessary for the child? Wouldn't such a barter act between believers to achieve the ideal family be different, in terms of the welfare of the child?"

 

◆ The Church's side of the argument

The Unification Church responded to NHK's interview, stating that the birth in 1981 was the first record of a child being adopted and that 745 adoptions have taken place to date.

He then stated the following.
 

▼Question 

During this interview, several cases were identified in which believing families who had never met each other were matched through the church, and adoptions took place. The lawyer pointed out that "this is an act of adoption agency. Has the church obtained a license from the prefectural governor with jurisdiction over the location of the business office in accordance with the "Law Concerning Protection of Children through Adoption Mediation by Private Mediation Agencies"?

▼Anser

"The adoption system conducted by our organization is different in nature from that of private agencies, and we do not receive any financial compensation from them (for these reasons, we are not licensed as a private agency).

In the last 20 years, the adoption system has shifted from one in which the church is involved to one in which adoptions are conducted between families who wish to adopt.  

 

▼Question

Several experts, including lawyers and former judges, have pointed out that the parents are taught that they have a "mission and responsibility" to adopt, and that they are encouraged to make a commitment to adopt before conception (pregnancy with the assumption that the child will be adopted), and that the adoption is for the parents' faith and not for the welfare of the child. Furthermore, they point out that it is suspected to be contrary to the purpose of the minor adoption system and the special adoption system. It is also pointed out that the adoption is suspected to be in violation of Article 7 of the Convention on the Rights of the Child and the Child Welfare Law. What is the Church's position on this issue?

Several 2nd generations who were given to other families as adopted children have reported the pain of having their human rights violated, saying that they were born as tools of religion when they learned of their origins. What is the Church's response to this?

▼Anser

The adoption process between the believers of our church is carried out through close interaction between the family offering the child for adoption and the family accepting the child, and is carried out in the hope that the second generation of adopted children will be happy. Furthermore, in families that are not blessed with children, the desire to have children has nothing to do with religious belief or non-belief. Nevertheless, your question regarding adoption, which is generally and legally recognized and practiced, as if the adopted child is a "tool of religion" only if the child is adopted by a believer of our organization, is in itself discriminatory and extremely unfair, and the programming policy of your Broadcasting itself is biased and unforgivable and promotes discrimination. Even if there are 2nd generation believers adopted children who believe in this way, if you report on them as if they are all the same, it will lead to all children born through adoption among our believers being regarded as "tools of religion" by the public, which may lead to serious human rights violations. This is a serious violation of human rights. We urge you to stop this kind of biased and discriminatory reporting."

◆ The Ministry of Health, Labor and Welfare's position

The Ministry of Health, Labor and Welfare, which is in charge of the adoption system, responded to our interview as follows.

"Adoption mediation is the act of acting as a third party to mediate between parents and children to ensure that the adoption takes place smoothly.
It is required to obtain a license from the prefectural government if it is to be performed repeatedly and continuously as a 'business' for a certain purpose, regardless of whether or not it involves remuneration."

◆ Can we save the second generation who can't say "help"?

Youjiyo, who was adopted by another believer family from her own parents, complains that she does not want the adoption process, in which the doctrines of the cult take precedence over the happiness of the child, to continue any longer.

Youjiyo-san:.

"I think the adoption system itself is really a wonderful system. However, I think it is wrong to use the adoption system only to achieve religious teachings, and it is quite contrary to the principles of the adoption system, so I hope that these misfortunes will end with our second generation."

While Youjiyo has faint hopes for the "relief for victims" of the Unification Church, which is currently under discussion, she is watching the bill's debate, wondering if there might be some difficulties for the "second generation of religion" as well.

Youjiyo:.

"I think there are a lot of 2nd generations who can't rely on others. I think most of them can't ask for help when they are in trouble. It would be ideal if we could create an environment and a world that would not let that happen. I wonder when such a place will actually become available.... To be honest, I don't know right now. I really think that it will be more difficult than we think to provide concrete relief for the second generation.  

◆ Afterword from Report Team

The adoption system is a necessary system for the welfare of children. Some people in the Unification Church say they are leading happy lives as a result of their adoptions. This issue may not fall under the provisions for damage in the bill now being debated in the Diet, but I believe that a survey of the actual situation is required first.

When Youjiyo responded to our interview, I was impressed by the way she said, "I want to prevent others from feeling the same way by sharing my own experience". She also said, "Even though I left the Unification Church more than ten years ago, I might have spent my whole life as if the tag of the Unification Church had always been attached to me and stuck with me."

Like Youjiyo, I believe that there are still many "buried victims" out there.

We hope that one day they will be able to live their own lives in the true sense of the word.

映画感想:『呪い返し師 —塩子誕生』 追記有

 

最近、ツイ廃と化していたのでブログ記事は久しぶりになります。

 

ある方からお誘いいただきまして、幸福の科学さん制作、絶賛大上映中の映画『呪い返し師 —塩子誕生』を鑑賞してきましたので、その鑑賞記を投稿いたします。

 

hs-movies.jp

映画『呪い返し師 —塩子誕生』

映画の内容はこんな感じです。映画.comさんからお借りしてきました。

宗教家の大川隆法が製作総指揮・原作を務め、人々を苦しめる「呪い」と対峙するスピリチュアルヒーロー「呪い返し師」の活躍を描いた長編作品。

都内にある賀茂野女子高校のオカルト研究会の部員たちが、不気味な現象にたびたび襲われる部員の奈々子を救うため、「呪い返し師」を呼び出す儀式を行った。清めの塩で円陣と五芒星を描き、願いを記した封書を焚き上げると、突風とともに呪い返し師の塩子が出現。塩子は奈々子を呪っていた生霊の正体を看破し、たちまち呪いを払う。それ以降、奈々子たちは呪いに苦しむ人の話を聞きつけては、塩子に呪い返しを頼んでゆく。次々と舞い込む塩子への依頼に対応していく奈々子たちだったが、その中で誰もが知る大企業・天道グループの御曹司の知られざる醜聞を知ってしまい……。

予告編動画

上記にリンクを置いた『呪い返し師ー塩子誕生』にもありますが、予告動画もありますので、こちらにおいておきます。

youtu.be

映画を見ることになった背景と感想

幸福の科学さんの映画は今まで未見だったのだけれども、ツイッターでひなこさんの映画に関する感想を見て、どんなものかな?と興味を覚えたのが最初でした。

https://twitter.com/hinacoccoro/status/1582005156912058369?s=20&t=A4D3BtRCGiKNQ-unvqLhkA

ここまでのレビューをされるとはどんな映画なんだろうと思って調べて最初に見つけた動画がこちらでした。公式予告編とは違いますが、赤鬼さんは登場するわ「全国の赤鬼に謝れ!」というセリフが妙に頭に残ってしまいました。

youtu.be

どうです?この赤鬼の造形?

 

この時は正直、そのうちDVDでも出たらレンタルで見るか?と思っていたのですが、たまたま数日前に、ゆいちゃん☄️カルトの果てまで逝ってQさんから、こんな風にお勧めされてしまいまして。

 

そこまで言われるなら、いわゆる「転換期かな?」と思っていたところに、ちょっとお誘いを頂いたので、それに乗っかる形で鑑賞してきました。

鑑賞日はこのツイートの日から今日までのどこかとだけお伝えしておきます。

映画の感想

そんな訳で映画を見てきたのですが、普段映画のレビューはしていません。このため、私の中に点数をつけたりする基準がありませんから、☆いくつとか5点満点で何点、といった形の評価は難しいです。全体を通して、主観的なレビューとなります。

https://twitter.com/whycultwhy/status/1589279626937106434?s=20&t=A4D3BtRCGiKNQ-unvqLhkA

https://twitter.com/hinacoccoro/status/1582005156912058369?s=20&t=A4D3BtRCGiKNQ-unvqLhkA

総評

よそ様の宗教団体が作成した映画ですが、正直言って映画館でお金出して鑑賞するものではないと思いました。

上記のひなこさんが何度か繰り返し引用してくれているレビューを拝見しながら、相当期待値は下げていきましたが、ゆいちゃん☄️カルトの果てまで逝ってQさんのお勧めというこの超絶した矛盾に戸惑いを隠せないまま映画スタート!

 

開始5分で「これはあかん!」と帰りたくなりましたが、せっかく意を決して見に来たのに5分で帰るわけにはいきません。そんなわけでエンドクレジットが全て終わり、劇場内のライトが点くまで座席でまんじりともせずに見入りました。

しかし正直言いまして本当に苦痛でしたね。HS信者のみなさんのコメントが痛いほど身に沁みました。今なら、あのコメントの真意が良く分かります。全くもって私も同じ気持ちになりました。

何がそんなにダメだったのかは、以下の個別コメントで詳しく見ていきたいと思います。

 

個別コメント

・全体構成がだめ:伝道用・信者教化用のどちらの面でも失敗している

もう、はっきり言って映画を作っちゃダメだろこれ。

『呪い返し師 —塩子誕生』とあるけど、「塩子」が誕生した背景とか理由とかバックグラウンドとか、なんでそんなことやってるのとか、『塩子誕生』が全く描かれてない。

サブタイトルにまで入れてるんだったら、そこはきっちり描写しないとダメでしょう。

「塩子誕生」ということは続編作るのかどうかわからないけど、続編いる?

 

このダメさ加減は主人公の塩子だけじゃなく、登場人物の中で冒頭に出てくる「賀茂野女子高校(だったかな?)」の高校生3人組も、重要な役割のようなのに狂言回しになってたり、良く分からない。

音楽のところでも書きますが、教団宣伝用映画であり信者の教化映画であるのは分かりますけれども、宣伝色の色気が出すぎるあまり、説教臭くて映画として成立してないと感じました。

 

ストーリーをかいつまんで言うと、人間の醜いものとされる妬みや怨みなどをもった生霊や鬼、天狗が人間にとりついて悪さをしているせいで、人間が苦しんだり家庭不和が起きている。

そこに呪い返し師塩子がやってきてそれらの呪いを返して過ぎ去らせた後に、高校生3人に語り掛けるのですが、そのシーンを通して教義の骨子をスクリーンの向こうにいる観客に聞かせているわけですね。

この教義で慎むべきとされる怨みの要素は、当然複数あるわけでしょうし、それらをリアルに描こうとするためには、一つの家庭ですべての問題が発生するのはおかしいということで、いくつかの家庭の問題がそれらの「怨み」から生まれた呪いによって生じているという形式で演出し、塩子がやってきては退治していくオムニバス形式の映画です。

 

全部で5つのエピソードがありますが、約120分の映画で5話のストーリーを展開するために、導入とか途中にイメージビデオのように挿入される塩子さんの散歩シーンや、エンドクレジットを除くと一話あたり約20分。つまり毎週日曜日の仮面ライダースーパー戦隊シリーズのエピソードを5つつなげて映画にしましたという感じになっています。

 

仮面ライダースーパー戦隊シリーズ、あるいはプリキュアでも良いですが、これらの番組は世界観ができあがっていて確定した敵味方がおり、敵が毎週ワンパターンで攻めてきますよね。そして最後の5分でヒーローが活躍して敵を倒せばよいから、20分程度の尺で成立している。また、一週間に一話だから子供が喜んでいるのを見て大人も楽しめるだけ。

そんなものを5回連続で映画館で見せるなんて、誰がこんな企画を考えた?

 

仮面ライダーやスーパーヒーロー戦隊、プリキュアセーラームーンだって、映画にするときは大きな柱としてのストーリーと、それを支えるエピソードという形で作るものなんじゃないんでしょうか?

 

その5話というのはこんな感じで、賀茂野高校の女子高生が全て絡んでいく。

・賀茂野高校の高校生が同級生に恨まれる話

・賀茂野高校生の最初のエピソードの友人のおばあちゃんが詐欺にあう話

・賀茂野高校生の最初のエピソードのもう一人の友人のマンションの隣人の家庭内暴力

・賀茂野高校生の誰かの兄が通う大学の教授が唯物論者で人魂を否定する話
 (人物描写がきちんとされてないので、誰の兄かも覚えられませんでした)

・某製薬会社の御曹司にパワハラされた優秀なリーダーが賀茂野高校の女子高生に調査を依頼したところ、実は30人以上ももてあそばれた被害者がいた話

 

最終話の製薬会社の御曹司のエピソードは、次世代の薬を開発するリーダーがパワハラで左遷されたことの調査を、いきなり賀茂野高校の生徒さんたちにお願いするっていうシーンから始まってずっこけた。

 

最初の第1話は導入で何人か登場するのは良いとして、その後もここまで賀茂野高校の女子高生が絡むのは、どれだけ呪われてる高校生活なのかな?とか思いましたね。

あるいは第5話目の悪者の御曹司天道翼が自分の会社から駐車場に出ていくシーンでは、社内から駐車場に向うその後を高校生3人組が追いかけていきます。この三人は一体どこから入って、どうやって御曹司を追跡してきた?

プロの探偵並みの調査力ですね。というかそれがなぜ女子高生?

 

また5つの「呪い」の種類とエピソードも、教義とエピソード内容がつながってるのかなんだか良く分からず、これでは伝道用には全く役に立ちません。

エピソードが始まる直前に、なにか罪となりそうな文字が表示されるのですが、その字から想起されるイメージと怨みとエピソードがなぜ、どのようにつながるのか、今回初めて幸福の科学さんの映画を見る初心者の私には正直なところまったく良く分からない。

このためどんな文字が書かれてあったのかすら、一つも覚えていませんでした。5つもあったのに。

一方で信者にはおなじみの教義を2時間もまた聞かされる体験をしなければならないわけで、信者の教化用としても失敗していると思います。

全体構成だけでこのまま最後まで突っ走りそうな勢いです。ここまで読んだだけでもダメダメ感満載ではございませんでしょうか?

・シナリオがだめ:塩子誕生も書いてないし、他の人物描写もない

全体構成がダメなのはシナリオにも表れていて、サブタイトルにある「塩子誕生」に関するエピソードが全くありません。途中のセリフで、「仏陀に仕える者」とか、「それをずっと重ねてきた」とか言ってたような気がしますが、それに関するシーンが全くありません。

 

「ヒーロー誕生物語」として、ハリウッドの多数の映画では1作目は丁寧に時代背景や舞台設定、主人公の幼少時の経験やヒーローになるきっかけをしっかりと作りこんでいます。

 

アヴェンジャーズのアイアンマンや、キャプテン・アメリカアントマンスパイダーマンなど、どれもが丁寧にヒーロー誕生の背景を作りこんできます。

 

またアヴェンジャーズとは違う会社でもこれは同じです。

例えばダークナイト・トリロジーとされるバットマン映画の第1作、「バットマン・ビギンズ」も映画一話をまるまるつかって、ブルース・ウェインはどんな人物で、なぜバットマンになったのか?ということを丁寧に描いています。

ダークナイトと比べちゃ、ダークナイトに失礼ですが)

 

なぜ賀茂野塩子が「呪い返し師」になったのか、どんな人生で、何がきっかけになって「呪い返し師」になったのか、どこで誰に師事してそうなったのか、何もわからないまま、なぜか3年前くらいに鎌倉でいきなり呪い返し師になったと思ったら、その2年後に賀茂野高校の一人に出会い、その1年後に今度は呪い返し師塩子としてその女の子に出会い、数々の呪いを返していくのか?

これらの説明が全くないまま、「週一のHS版スーパーヒーローもの」をいきなり5週間分見せられることになります。

結果として5話と分かりましたが、それが示されてもいないので、もう終わるんかなと思うとまた次のエピソードが始まって、ほんとに途中で帰りたくなったのはナイショ。

いずれにしても、なんか全体の起承転結が良く分からないし、映画全体のメッセージも良く分からないまま、なぜか塩子が登場しては呪いを返して疾風に乗って去っていく、月光仮面のお姉さんのような感じの映画。

 

また伏線の貼り方がデタラメ過ぎて、これも鑑賞の途中でなんども退出したくなってしまう原因の一つ。

 

映画が始まると「3年前」の鎌倉で主人公が散歩している場面にいきなり歌がかぶされますが、主人公の塩子がお参りするのはなんと北条政子。しかもイントロで始まる歌の歌詞に登場してきて「北条政子がうんたらかんたら」とか聞こえるのですよ。

 

映画でわざわざシーンとして取り上げ、歌にまで登場するなんて、きっと映画の中で重用な意味を持つ存在として出てくるに違いないと、こちらはそれを期待し待っているわけです。冒頭でこんな風に登場するということは、北条政子が何か関係しているのかな?と。

 

しかし最後まで見ても北条政子はなんとこのシーンだけ。あとはまったく、どこにも何もでてきません。第5話にあたる大天狗の時に、「呪い」を持った天道翼とかいう男の過去世が出てくるのですが、そこにも北条政子はでてこないです。冒頭の北条政子は何だったんだろう?

まさか、これにあやかっただけとかじゃないですよね?

www.nhk.or.jp

 

映画は限られた時間(尺)の中で、メッセージを伝えるために作るので、そのシーンで描かれるものには意味があり、さりげなく取り上げられるアイテムなどが最後まで重要な意味を持ったりします。映画のシーンに出てくるとはそういう事のはずです。

しかし、とても残念なことに全体構成とそれに基づくシナリオがダメなせいで、冒頭に出てきた北条政子がなぜ歌にまで出てきたのかまったく訳が分からず、その他にも様々な稚拙さが映画としての作品性をダメにし、観客には映画への没入を邪魔します。

 

「塩子誕生」と書かれた映画の塩子が誕生するエピソードすらないので、他の登場人物もなぜそこに登場し、どういう背景で主人公たちと関係するようになったのかが全く説明もなしに話が進みます。伏線も置いてないのに、いきなり手元にあった本をめくったら、塩子に関する記事が書いてあったり。

7のつく日の7時7分にしか呼べないというのも謎。

最後の最後で「いまも塩子さんはどこかで頑張っているのよね」みたいなセリフがあったけど、10日おきにしか出てこないんじゃなかったっけ?

毎回カレンダーと時計が登場して、時間の経過まで表示させていたのに。


他にもしばしば挿入される塩子が散歩して歩くシーンとか塩子が和室で生け花したり、茶道の帛紗を丁寧に使うシーンとか、あれはなんの意味があったのでしょう?

「塩子は令嬢なんだぜ、えっへん!」なの?

ホントいろんな意味でシナリオが杜撰です。

・製作者の狙いは分からなくはないが、それを実現する技術がない

製作とか企画に大川隆法と大川紫央とありますし、そもそも幸福の科学さんが作る映画なので、最初から伝道あるいは信者の信仰強化用の映画であることは知ってて見に行ってるわけです。

しかし映画を見終わって感じたのは「おおー、ようやく終わった!ほんと、映画を見るのも修行だなこりゃ」と思っただけで、「映画でこんなに苦痛なら、教義や礼拝はもっとつまらないに違いない」と思わされただけでした。

それって、狙いが全く外れてませんか?

相当お金をかけて作ったとは思いますが、そこまでして信者ばかりか一般の人も遠ざけてどうするのかな?と、よその教団様ながら、首を傾げつつ帰ってきました。

ちなみに、映画だけで信者を獲得しそうな作品というのはいくつも事例があります。

まずスターウォーズ

イギリス国勢調査のようなもので、宗教をジェダイと回答する人がいることは良く知られています。

ja.wikipedia.org

そしてインド映画「バーフバリ」

youtu.be

一部とは言え、映画を見たら洗脳されたようになって、「バーフバリ!」と叫ぶ上映会まで設定されたのは割と知られています。

 

www.huffingtonpost.jp

どちらも実際にはそんな宗教はないのに、そこまで閲覧者を没入する映画があるのです。幸福の科学さんがこれらに匹敵する映画を作ってきたら恐ろしいなと思うのですが、今回の映画を見る限りはそんな心配はなさそうですね。

・映画作ってまで、夫婦でいちゃつくな

ツイッターでも書きましたが、企画者に名を連ねる大川紫央氏は大川隆法氏の妻。

https://twitter.com/KuroganeInBlack/status/1585475922764783616?s=20&t=A4D3BtRCGiKNQ-unvqLhkA

 

当然、主人公の塩子は大川紫央氏のアバターであり、なるほど何度も何度も何度も何度も出てきては、大川隆法そっくりのエルカンターレ像に祈りをささげては、「あなたのために使命を果たします!」とか語るわけです。

 

いや、いいけどさ。一回だけでいいんじゃないかな?

何度もやられてゲンナリしました。おなか一杯になるけど、どうせいっぱいになるなら、もっと違うもので満たしてほしいわ。

 

エンドクレジットみてたら、挿入歌の一つが「塩子恋歌」とかあって、それみてずっこけましたよ。映画館の椅子からずり落ちるかと思った。

そんなタイトルの歌を聞かされてたのかと。

ほんとに映画作ってまで、いちゃつくのをみせなくてもいいと思いますけどね。

いや、私もDisneyのヒロインモノとかは良いなと思いますが、こんな作品でそれを見せられてもゲンナリするだけです。

・音楽がだめ

ということで「塩子恋歌」というタイトルにあたる歌があることは認識しましたが、それがどの歌なのかは分かりませんでした。

と言いますか、そもそもイントロから始まって、有名な「塩子が来たぞ」だか「塩子が来るぞ」の変な歌や、エンディングにいたるまで、しょっちゅう歌が流れてきます。

そして信者ではなくても「これは教義をそのまま盛り込んだんだろうな」という歌詞の歌が次から次へと繰り出される。

 

なんかいっぱいクレジットにも曲名が表示されていましたが、どれ一つとして印象に残る歌も曲もありません。この映画で使われた歌や曲が街中のBGMで流れてきても、たぶん気が付かないと思います。それぐらい印象がない。

上で「ヒーロー誕生物語」としてバットマン・ビギンズを上げました。

この映画のテーマ曲がこちらです。

 

youtu.be

私は音楽関係は素人ですが、これを聞いた瞬間、夜空に舞う蝙蝠が羽ばたきながら、急に方向を転換して飛び回るさまが思い浮かびました。

このテーマ曲はダークナイト・トリロジー第2作で、ブルース・ウェインの悲哀を背負ったヴァイオリンの悲しい旋律がより強調され、ダークヒーローとして逃走していくバットマンの最後のシーンと切っても切り離せない、とてつもなく印象的な シーンとなりました。

 

youtu.be

どちらもハンス・ジマーの作品ですが、驚くべき完成度を誇ります。

こんなハリウッドの第一人者と比べること自体が失礼なのは承知の上であえて言わせてもらえば、地球神たるお方が、自分の名前で作った映画の音楽が全く印象に残らないというのは致命的だと思います。

・アクションやVFXがダサい

上記でリンクした赤鬼さんの動画もそうですが、なんかの豆菓子かな?と思うような鬼がスクリーンで暴れているのを見て、本当に吹き出してしまうのじゃないかと思って、必死にこらえました。

こんな感じのやつ、思い出しましたよね。

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なぜか赤鬼が教義上、重要らしいですし、本来は赤鬼は正義のために働くようなので、改心して我々にも懐かしい赤鬼さんに変身します。

これもシナリオのところでコメントすべきだったかもしれませんが、唐突すぎるし赤鬼のセリフも、実際のシーンとかかみ合わな過ぎて、頭の中にいくつもハテナが浮かんでました。

動画では前後がないからわからないのかな?と思ってましたが、映画見てもやっぱり一緒でしたね。

 

 

それから塩子が登場するとき、五芒星にお焚き上げをやるのはいいとして、毎回ターミネーターのようなポーズで登場しては(服は着てますが)、疾風に乗って去っていくのはどういう事でしょう?

わざわざ高校生に「生きてるのかな?」とか言わせて、わざと突っついたりしてる場面があるのに。

VFX使って台風みたいな渦巻がひとしきり吹いた後に塩子を登場(来るぞ、来るぞ!の歌付きで)させてるんだけど、あの台風に乗ってやってきたり、消えるように去る意味が良く分かりませんでした。

 

それからVFXではないんですが、最後の大天狗に憑依されてる製薬会社の御曹司の退治に行くとき、なんか皆さんで「打倒!大天狗!」とか幟みたいの作ってたシーンがあったのですよ。

ほんとにそれもって出かけてて、いやー、あれ持って歩くの恥ずかしくないか?とか思っちゃいました。VFXじゃありませんが。

・急なうどん挿入やめろ それに高校生に金払わすな

エピソードの第1話と第5話で、呪い返しの依頼を受けた時、最初は500円の素うどん、そして最後はもう少し豪華な1200円の鍋焼きうどんを食べたい!とか言い出したのはあれなんだったんだろう?

大川紫央さん、うどん好きなん?

あと最初のエピソードでは高校生しか依頼人がいなかったから、高校生の子が払うのはしかたないとして、最後のは社会人もそこにいましたよ。

高校生に1200円払わせて何やってるんだ?依頼人は社会人だったんでしょう?そこは依頼人たる社会人が払うものなんじゃないんでしょうかね?ともかくあのうどんのシーンは謎だらけでしたね。

・ムビチケ奉納はありました

最後にムビチケ奉納というチケット買って席の予約もしているのに、映画館には足を運ばないというツイートがあったので、今回どんな風になってるのかな?と楽しみにしていたのですが、ありました。

https://twitter.com/hinacoccoro/status/1586007827214049280?s=20&t=A4D3BtRCGiKNQ-unvqLhkA

 

席を予約するとき、最後尾の席から何列かがほとんど埋まってまして。

後ろから埋まるのか?変だな?と思っていたのですが、実際に入ってみたら、真ん中にぽつりぽつりと座ってるだけで、後ろがずらっと座席予約がされているはずのシートには誰もいません。

 

文字通り、一人も座ってませんでした。

ちょっと感動したのですが、写真撮り忘れた。こんな機会は二度とないかもしれないので写真撮ってくるのでしたが、あまりに映画で修行疲労したもので、そこまで頭が回りませんでした。

 

なんか統一教会っぽいところ

総評で描いた、オムニバス形式のエピソードの第4話で、賀茂野高校生の誰かの兄が通う大学の教授が、霊魂はない、あくまでもプラズマだと主張する場面が延々続きます。

これに取りついているのがサタンだったかな?なんとこのサタンと塩子の会話は、統一教会の原理講論から引いてきたのかな?と思うほどでした。

 

サタンに向って塩子が叫ぶ。「なぜおまえは霊魂を否定する!サタンよ、お前だって霊的存在だろう!」

これへのサタンの回答が「唯物主義者にした方が、神を信じず、あやつりやすいのさ」ですよ、奥様!

 

びっくりしましたわー。

 

 

まるで統一教会における共産主義の位置づけと一緒ではございませんか?

ちょっと驚きましたね。

今回の映画鑑賞で一番驚いたところかもしれません。

 

最後に

ということで、長いレビュー、最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。今回は、お誘いいただいた方、本当に貴重な経験となりました。

 

映画をお勧めいただいた、ひなこさんやゆいちゃん☄️カルトの果てまで逝ってQさんに、改めてお礼を申し上げて、本レビューを〆たいと思います。

 

どうもありがとうございました。

 

本映画の前作品「愛国女子 ー 紅武士道」

本『呪い返し師 —塩子誕生』の前に作られた「愛国女子」もストリーミングで鑑賞することができました。

こちらも合わせてご覧くださいませ。

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