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1976年のワシントン大会 「公園警察によると、(教会発表の30万人ではなく)5万~7万人しか来なかった」

統一教会の人達が語る実績が、全く実績になっていないことは、当時の状況についての資料がますます広範囲にネットに公開されることによって明らかになりつつあります。

現役の教会長が盛んに「ソ連の信教の自由は文鮮明がもたらした」と語るので、調べたら全然デタラメでしかなく、ソ連側の事情や歴史的背景を根底から無視して、すべての事は統一教会のおかげ様みたいな発言をしたことが分かってしまいました。

外部と遮断された修練会じゃないんだから、調べたらいくらでも資料なんか見つかるわけですし。

特にソ連関係の資料は最近、ゴルバチョフを中心にいくらでも見つかりますので、ソ連に関する統一教会の主張は、まるでデマでしかないことはいくらでも分かります。

kib.hateblo.jp

今回は、アメリカの1976年のワシントン大会に関するお話になります。

これも統一教会の「現代の摂理」では必ず語られる重要なイベント。統一教会の公式発表や講義では、30万人もの人物が集まったことになっています。今回はこの発表が正しいのかについて、調べてみることにしましょう。

 

1976年のワシントン・モニュメント大会に30万人も集まったのか?

この記事は、天地っ子さんのツイートでの777双の先輩信者の証が投稿されたことが発端となっています。

 

ここから始まる一連のツイートに、NoWayさんによるワシントン・タイムズのギフト記事がリンクされました。

1976年、地元紙ワシントン・タイムズによる記事

www.nytimes.com

こちらはお手数ですがリンク先から翻訳ソフトなどを使ってお読みいただければ幸いです。

https://twitter.com/nowwarmom/status/1680404442657456128?s=20

この記事から、一か所だけ抜粋した内容を転記していますが、当時統一教会は外部から把握できるおカネだけで100万ドルを投入したようです。

ここで外部からと断っているのは、このワシントン大会に動員された信者やメンバーたちの経費などはまったく考慮されていないからです。

広告キャンペーンは、電話のイエローページで「あなたの指に歩かせる」シリーズを企画したスティーブン・ベイカーが一部仕切ったもので、定期的なスポット・コマーシャルと、ワシントンの新聞に11の全面広告と2ページ広告を掲載した。

全体として、この運動は集会に約100万ドルを費やした。

また、念のために補足しておきますが、1976年当時の為替レートは1ドル293年でしたので、額面だけでも約3億円。

消費者物価指数で比較すると、令和2年を100とした場合、当時は58.9でしたので、3億円÷0.589=5.093。つまり実質5億円ほどを広告に投入していたわけです。

(当然、日本人信者からの献金がほとんどだったでしょう。)

www.boj.or.jp

さて。それでは当時の100万ドル=約5億円を投じてやろうとしていた大会の成功のために、統一教会内部では一体何をしていたのでしょうか?

この裏側で、統一教会は何をしていたか?

アメリカの統一教会の活動については、「この人」というべきHWDYKYM氏の詳細なまとめ記事が、これも同じくNoWayさんによってリンクされました。

 

こちらの記事については、それほど長いものではないので、全文翻訳して紹介いたします。

1976年ワシントン大会の裏側:HWDYKYM氏によるまとめ

<以下、記事翻訳>

1976年のワシントン大会 「公園警察によると、(教会発表の30万人ではなく)5万~7万人しか来なかった」

2016年9月17日(土)、文鮮明の組織はワシントン記念塔のイベントの40周年を祝った。1976年のイベント前からの報道では、組織は100万ドルの広告予算を費やしており、彼らはテレビやラジオのスポットに使用した。ワシントン・ポスト紙やワシントン・スター紙のような新聞に全面広告を掲載した。また、「地域住民を無料送迎するための550台のチャーターバスに16万5000ドル」を費やしたという。

アメリカでの40年』という本には、「この運動は、ディズニーランドやディズニー・ワールドのディスプレイを手がけるカリフォルニア・ファイヤーワークスと契約し、フェスティバルのフィナーレを飾る『世界一の国際花火』を制作した」と書かれている。朴普煕は「花火大会だけで100万人の観客を魅了できると確信していた」という。しかし、彼は文師のメッセージに "真剣に関心を持つ "少なくとも10万人の動員を心配していた。(「アメリカでの40年」より)

エンターテイメントもあった。

ニュースによれば、組織は10万人の動員を見込んでいたという。

どうやら、観客数の予測が危うかったようだ。マイケル・バルコムは、「とても難しかった。少なくとも私の知る限りでは、誰かが名案を思いつくまで、誰も申し込まなかった......無料のチキン・ディナーだ!"と。」

しかし、テレビとラジオで宣伝し、13日間にわたって新聞の全面広告を打ち、無料の交通手段、エンターテインメント、世界クラスの花火を用意し、無料のチキン・ディナーも用意したのに、公園警察によると、実際に集まったのは5万人から7万人程度だった。

トリミングやアングルを変えていない群衆の写真を見ると、より多くの群衆が集まったように見えるが、公園警察の見積もりが正しかったことは明らかだ。当初、警察は群衆を35,000人と見積もっていた。

なぜ組織は30万人が参加したと主張するのか?

なぜ文鮮明は2009年の「自叙伝」の中で、そのようなインチキな数字を主張したのだろうか?

「1976年9月18日、あの日のことは決して忘れない。人々は早朝からワシントン記念塔に集まり始めた。約30万人が集まった。... ワシントン記念塔集会は奇跡だった。30万人が参加し、ワシントンモニュメント公演での集会としては過去最大規模になった。」 (文鮮明「平和を愛する世界人として」より)

なぜ皆、5万人程度の素晴らしい群衆だったと認めなかったのだろうか?

費やされたお金と時間、無料のチキン・ディナー!!、あるいは参加者が目標の半分に過ぎなかったことを考えれば、大したことではない。

これが 「神側の策略」というものなのだろうか?それとも、会員たちが文鮮明にそう伝え、文鮮明はおべっか使いが言ったことを繰り返しただけなのだろうか?指導者たちは「救世主」の怒りを恐れるあまり、彼にも自分たちにも正直になれなかったという例なのだろうか?

アメリカの40年』より:「教会のスポークスマンは、当初20万人、後には30万人と見積もっていた」。

1976年9月14日、フリーランス・スター紙より

ワシントン(AP)-文鮮明統一教会は、9月18日の集会のための100万ドルの予算のうち20万ドルを、ワシントン記念塔の敷地に人々を集めるための広告に費やしている。

このお金は、地域の新聞に全面広告を掲載したり、ラジオやテレビのスポット広告に使われた。

教会はまた、「ゴッド・ブレス・アメリカ・フェスティバル」に参加する地域住民を無料で送迎するための550台のチャーターバスに165,000ドルを費やした。

 

デセレット・ニュース 1976年9月17日

ワシントン(AP)-土曜日にワシントン記念塔の敷地内で行なわれ、物議をかもした文鮮明牧師の集会は、政府の試算によると、米国の納税者に約12万ドルの負担を強いる可能性がある。

この数字には、775人の警察官の超過勤務手当や清掃費用などが含まれている。医療費は含まれていないため、総費用は10,000ドルに上る可能性がある。

大々的に宣伝された集会には、10万人ほどが集まると予想されている。韓国人伝道者に加え、集会ではエンターテイメントや花火が打ち上げられる。

 

スポークス・マン・レヴュー紙 1976年9月19日

ワシントン(AP) - 警察は、集会のピーク時の観衆を50,000人と見積もっており、これは集会主催者が予想していた数の約半分である。

 

ケンタッキー・ニューエラ紙 1976年9月20日

ワシントン(AP)-.韓国の伝道者は、この宗教的祭典に10万人の信者が参加すると見積もっていたが、警察によると、群衆は約5万人から7万人であった。

<記事翻訳はここまで>

 

さて。これらの記事を見れば明らかだと思いますが、当時のニュースでは参加者はせいぜい5万人から多く見積もって7万人。

しかも無料のチキンやら国際的なレベルでも相当高いエンターテイメントや花火を用意してかき集めた人数であることが分かります。

現場レベルでも5万人集まるのと10万人以上、まして20万人などという人たちが集まればどれくらいなことになるのか、分かっていたはずですが。

落ち着いて計算してみれば...

たとえば550台のバスをチャーターしたとありますが、有名なグレイハウンドの大型バスでも定員は55名です。

www.j-bus.gr.jp

550台×55人=30,250人にしかなりません。

30万人-3万人=27万人は全員、ワシントン市内から集まってきたのでしょうか?

これ以上、微に入り細を穿つように掘っても、それほど意味があるとは思えないですし、当時のニュースや動員されたバスの台数からしても、5万人から7万人は妥当なところでしょう。

彼らが無料のチキン・ディナーや素晴らしい花火に感動した後で、文鮮明氏の「共産主義云々」のスピーチにどれほど感動したかは分かりません。

しかし、このスピーチがきっかけとなって何かが生まれたといった話は聞いたことがありません。

 

30万人は事実と異なり、しかも無料チキンにつられただけ

本投稿のきっかけとなった天地っ子さんの引用ツイートでは、現役信者が「30万人もの聴衆を集めることのできる宗教団体、人物がいるのであれば教えていただきたい!」とか言ってますが、そもそも30万人集まってませんでしたよね?

しかも、集まってきたのは文鮮明氏の「高邁なスピーチを渇望して」集まったのではなく、無料チキンや花火大会で、しかも無料のバス付。

こんな「顎足つき接待」の典型みたいなことで集められた人達が、その後何をしてくれると期待できるのでしょうか?

 

例えばキリスト教の初代教会に起きたペンテコステのような、熱狂の嵐が吹き荒れたのでしょうか?

information-station.xyz

そんな話は寡聞にして知りません。

 

統一教会の人があちこちで主張するので、この際、明らかにしておきたいと思うのですが、「30万人もの聴衆を集めることのできる宗教団体、人物がいるのであれば教えていただきたい!」とか自慢げに語りますが、そういう歴史的人物がいなかったとでも思っているのでしょうか?

統一教会の人達の歴史に対する認識の浅さたるや、驚くべきですね。

マルチン・ルーサー・キング牧師のスピーチ

まず、30万人は文鮮明のワシントン大会は盛りすぎであって、せいぜい7万人しか集まっていなかったことは当時の報道からも明らかですが、その3倍以上の人達が駆けつけた大会が会ったことはご存じない様子ですね。

こちらも正真正銘の宗教指導者の一人でした。

 

americancenterjapan.com

このスピーチは統一教会に入る前にも何度も読みました。非常に簡単で分かりやすく、何度も何度も「I haave a dream!」と畳みかけながら、白人と黒人を越えてすべての宗教の人達が手を取り合えるように訴えるスピーチです。

 

youtu.be

今改めて見ても、キング牧師の高潔な精神とスピーチには涙を流す。

文鮮明はあちこちで大会を開き、スピーチを行い、615巻にも上る説教集が出版されましたが、その中に無条件に人の心を打ち、誰かを突き動かす内容はあったのでしょうか?

キング牧師が残した「遺産」はアメリカ社会に多くの足跡を残し、今なお、その栄誉が称えられていますし、それは特定のある民族や国民に犠牲を強いて行われているものではありません。

amview.japan.usembassy.gov

改めて文鮮明は何を残したのか?

統一教会の人達は、ワシントン大会を行いましたとかヤンキー大会をやりました、ソ連ゴルバチョフと会いましたと語ります。

それが偉大な功績であると。

私にはそれが功績には見えない。

 

ワシントンやヤンキースタジアム、あるいはモスクワのクレムリンに行ってゴルバチョフと会ったというのは間違いのない事実でありましょう。

しかし、それが何を生み出したのか?

 

ワシントン大会で文鮮明は次のように語ったそうです。(ワシントン・タイムズの記事からの引用)

アメリカは世界的な責任を受け入れなければならない。神主義(Godism)で武装し、共産主義世界を解放し、最後に地上に神の王国を築かなければならない。

果たして、このスピーチはアメリカに何をもたらしたのでしょう?

現役信者は、このスピーチの内容を知っていましたか?

 

というか、神主義で武装とな何か?地上に神の王国を築くとはどういうことか?何も明らかにできていません。

明かにするどころか、自分たちの教団すら空中分解し、虚しくその醜態をさらしているだけの団体に成り下がっているではありませんか?

 

さて。もう一度、この簡単な問いに戻って本投稿を締めくくることにしましょう。

 

ワシントン大会には30万人も集まっていませんでしたし、集まった人たちも無料のチキンがほしかっただけでした。
そうやって集めた人たちを通して何がやりたかったのでしょうか?

 

https://twitter.com/nowwarmom/status/1680404442657456128?s=20