KIB: kurogane in black

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宗教組織と行政組織の比較対照は正しいか?

かつて、文鮮明氏が健在なりし頃、統一教会ベーリング海峡に橋またはトンネルを作ることが国境撤廃につながり、世界平和を実現すると主張していたことがある。
そしてそのための予算を22兆円とはじき出し、これを献金で賄うつもりだったのか、一時、日本人信者もこれに関するパンフレットまで作って渉外に回っていたこともあったようだ。


このベーリング海峡の橋/トンネルについては、前にこんな批判文を書いた。

元は楽天ブログに公開されていて、投稿日は2005年7月5日だった。もう11年も前のことになる。
楽天ブログがなぜか消されてしまったので、こちらに復元した。

 

kib.hateblo.jp
楽天ブログのコメントもとってあったログと一緒に残っているが、復元の際にコメントまで含めて再現するのは現実的に非常に手間がかかるので頂いたコメントは基本的には再現されていない。

しかし、この楽天の記事「ベーリング海峡に架ける橋」には次のようなコメントが付けられていた。

<2006年12月26日につけられたコメント>

くろがねあきおという小人物へ       京都の月光仮面さん
あんたの文章を読んで思わず噴出してしまった。
だって瀬戸内海の橋とベーリングプロジェクトを比較して、さも批判していることがあたかも正しいかのように論じているのはあまりにもかわいそう!
比較にならないものを比較するのは何も知らないものが知ったかぶりしているだけのこと!
自分のことだけを心配でもしていたらいい!(Dec 26, 2006 01:22:35 PM)

<コメントは以上>

この人は、瀬戸内海の橋とベーリングプロジェクトを比較するのはおかしい、それで正しい批判と思う私がかわいそうといっていた。

では何が正しい理解なのか、何と比較すべきなのかを指摘していない。きっと天宙的な価値とか、摂理史的な視点だろうと思うのだが、仮に天宙的な価値があろうが、摂理史的な観点があろうが、この世に物理的な建造物として構築するからには建造だけでもコストがかかるし、維持にもお金がかかる。
橋を作ることによる経済的なメリットがなければ、維持ができなくなるし、この世の人に協力してもらうこともできなくなる。

この橋をつくれば世界が平和になるというのが本当なら、そのコストを全世界の人たちで負担するという考え方もあろうが、残念なことにそんな主張はこの世的には微塵もでてきていないし、そもそも当の統一教会/世界平和家庭連合の信者自身が今では信じていない様子ではないか?

ハンドルネームこそ「京都の月光仮面」と正義の味方を気取っていたようだが、その後、この方から何のはたらきかけもないし、統一教会の側でも何もしていないようだ。

さて。当時の私の批判は正しかったのか、それとも京都の月光仮面さんが正しかったのか?


ベーリング海峡トンネルそのものは統一教会とは無関係に検討されていることもあるようだ。
しかしながら「統一教会」が主張するような、摂理的な意味でのベーリングプロジェクトがほぼ何の動きもなく、統一教会の主張に賛同するような意見もないのを見れば、京都の月光仮面氏の主張にこそ無理があったことは、今では明らかなのではないだろうか?

さて。上記の、京都の月光仮面さんの指摘は指摘としておかしいといった私が言うのもなんだが、米本さんの次の指摘は、比較の対象を間違っているのではないだろうか?

米本氏の記事、「改革の視点(1)なぜ家庭連合の職員は公務員よりも多いのか。<保存版> 」

ここで、米本氏は公務員の数と家庭連合の公職者の数の比較を行っている。

私は統一教会/家庭連合の活動を正しいとは思っていないが、少なくとも彼らが宗教団体として活動している限りにおいては、週ごとの礼拝も必要だし、宗教団体としての信者のケアも必要なわけだ。(それができているかと言えば、献金プッシュ以外やっていない、ということは承知はしているが、ここではそれを脇に置く)。

一方、行政機関の人たちが市民の一人一人に週ごとに会合を開いたり、フォローなんかをしたりしない。

これこそ、比較の対象が違うものを無理やり比較していることにならないか?

米本さんは、かつてヤマギシズムにも潜入レポをしたと記憶しているが、比較するとすれば、ヤマギシズムの公職者と統一教会/家庭連合のそれ、創価学会や、キリスト教会(プロテスタント)やカソリックとの比較であれば意味があるのではなかろうか?

上記文章は「改革の視点(1)」となっているので、今後追加される記事で出てくるのかもしれないが、「改革の視点」のツカミにあたる(1)に行政組織との比較を持ってきたのは残念だった。


もっとも、こんな情報、インターネットでパチパチやれば出てくる類のものではない。時間もお金もかかることで、ジャーナリズムで飯を食っている方に、やってくださいとはとてもお願いできる内容ではないので、あくまで書かれた記事に対する感想として、述べておくことにしたい。