KIB: kurogane in black

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だから、それって洗脳されてんのと同じじゃないの?

ジャーナリスト 米本和広氏が「ネットをめぐる絶対矛盾(*´~`*)」という記事を投稿した。

統一教会がネットに膨大なHPやら広報物をばらまきながら、信者にはネットの閲覧を禁止する。
その一方で、伝道にタブレットを利用するのは矛盾だ、という内容だ。

統一教会の行動に一貫性がなく、場当たり的なことを繰り返してきたという指摘は正しい。まったくもってその通りで、誰もが納得するだろう。松濤本部に勤めている人も内心、うなずくに違いない。

この記事に、上から(本部から)のもの以外はサタンが入るので見たり読んだりしてはいけないと言われたというコメントがつき、米本氏もこのコメントを記事に反映させた。



米本氏が「火の粉を払え」ブログを開設した当初、メインで取り上げる話題はなんだったかというと、拉致監禁推進派の人たちの「統一教会は信者を洗脳しているので、拉致監禁して説得しないと統一教会から帰ってこない」という主張、中でも「洗脳されている」というところは間違っている、ということだった。

私は統一教会には反対だが、拉致監禁にも反対している。

もっとも、この拉致監禁には、統一教会のやっている一度ビデオセンターに来たらセミナーに出るまで帰さないとか、一度セミナーに出たら信者になるまで帰さないといったものも拉致監禁とみなす立場だから、統一教会拉致監禁反対で共闘するつもりには全くならないし、米本さんに協力するつもりにもならないのだけれど。

米本さんも記事中で北朝鮮には触れていた。この点についても同感なのだけれども、北朝鮮がやっていることこそ、単なる人権侵害どころか国家主権の侵害でもある。韓国の統一教会はこの北朝鮮と仲良くしていることを誇っていたりするのだけれども、そんな国と仲良くしていることを誇るような人たちが、よくも拉致監禁反対を叫ぶよなとあきれ返るのが正直なところ。
厳密には韓国の幹部連中は、日本人信者が拉致監禁されようが関心ない。しかし、少なくとも日本人信者も、韓国と北朝鮮を一体化させることが日本の使命と言われて、一生懸命に献金したりしているのだから、そんな日本人信者たちの態度には到底、理解を示すことはできないのだけれども。



話を元の洗脳に戻すと、誰かの意図のままに、つまりはロボットのように、自分の意思を持たずに行動するようになることを洗脳というなら、統一教会はそんな洗脳はしていない、というのが米本さんの主張の筋だったと理解している。(非常に乱暴なまとめ方はしていますが)

統一教会の人たちも、昔のホゴン君=小木さんを持ち出すまでもなく、こんな感じの「ロボット化された洗脳」はないといった言い方をするので、統一教会に反対の論陣を張るに際して、私は「洗脳されているから」とは言ったことはないですし、「洗脳されているからダメ」とも言ったことはありません。

しかし、現実問題として、統一教会の信者たちは外部の人の話は聞かないし、世の中から指摘されている統一教会の問題行動についても、マスコミはサタンが入っているとか言い出して、自分たちの行動を正当化するような態度は、洗脳されているといわれても仕方ないですよね、とは繰り返し言ってきた。


余談だけれども、文鮮明氏華やかなりしころ、盛んにPWPAとかCAUSAとか外部団体との交渉の窓口を作っては大会をやっていたけれども、あれだって世の中の声を聴くつもりはさらさらなく、統一教会の主張によいしょしてくれる学者を集めていただけだ。せっかくそういう有識者と関係を持っていたなら、彼らを諮問委員にして統一教会改善会議でもやりゃいいのに、そんなことをするつもりはない。
なぜなら、真摯に世の中をよくしよう、統一教会も間違っているなら直そうなんて思っていないからだけれども。


再度、今回の米本さんの記事につけられた「上からくる内容でなければ見てはいけないと言われた」というコメントについて話を戻す。
米本さんは中国や北朝鮮のような閉鎖社会に喩えたが、実際に世の中で起きている出来事から目をそらし、上の意のままに動くのであれば、結局のところ洗脳されているのと同じではないのか?


私も信者だったとき、伝道対象者からいろいろと統一教会に否定的な情報をもとに反論されたりすると、必死に統一教会の正当性と、現実の問題との非整合性に折り合いをつけるため、必死になって(自ら主体的に)上から言われていることを正しいと見せるための言い訳を考えていた。

この時の状況は、決してロボットと化していたわけではないが、主体的に統一教会の主張の通りに動くように思考プログラムが働いているとは言えるわけだ。今、誰かが私に「それって洗脳されているのと同じじゃないの?」と言われたら否定する言葉はない。

米本さんは、あくまでも統一教会全体として中国や北朝鮮のような体制と同じであって洗脳ではないという言い方をするのかもしれないけれども、子供がこんな団体に取り込まれた親にとってみれば、そんな言い方の違いは何の意味もない。問題は子供がまともな会話もせず、おかしなことを主張して仕事も辞めたりお金を貢いでしまうことなのだから。


子供が信者になったからといって拉致監禁で取り戻そうとする親と子の関係が問題だという議論の展開は話が広がりすぎるのでここでは割愛する。
繰り返しになるけれども、私も拉致監禁に賛成しているわけではないし、子供を取り戻す方法としても賛成はしていない。
統一教会に子供が取られて困るなら、子供が統一教会や、統一教会に限らず変なところにはまってしまわないように、あるいはギャンブルや変な遊びにはまらないように、普段から会話をしておくべきだという点は全くその通りなのだけれど、結果として取られてしまった後、どうするかについては、近道はないので。



米本さんの活躍で統一教会の信者に対する拉致監禁がなくなりつつあることは素晴らしいことだと思う。統一教会と共闘したくないだけで、拉致監禁反対の立場として、「拉致監禁が減ったこと」を喜ばしく思うことには躊躇はない。

しかしながら、これだけ統一教会問題について、ほかのジャーナリストの誰よりも取り組んできていながら、やっぱり本質的なところで統一教会とはどういうところなのかについての理解は、まだ遠いと思う。
どんなに言葉を言いつくろってみても、外から見たとき、信者一人ひとりはかなり洗脳されているのと同じでしかないのだし。

統一教会も、洗脳ではない、これは真理なのだというなら、この世のありとあらゆる情報に立ち向かい、「真理のみ言」とやらで薙ぎ払ってこそ、真理の真理としての真価が現れると思うのだけれども。
それをやらないのは、信者の思考に防御壁を設けて隔離しておかなければ、信者が離れると思っているからだろうし、それって結局、信者を洗脳状態においておかなくては信者が信者なくなることを認めていることになる。

ホゴン君=小木さんみたいに、「アメリカの学会で否定された」とか眠いことを言うんじゃなく、統一教会も信者を洗脳していることを認めて、どうすれば洗脳でなく信者になってくれるのかを考える方が良いのではないか?


さらにダメ押しでいえば、パンフレットを用いた伝道からタブレット伝道に切り替えるとかいうアホなやり方については、ただただ脱力するしかない。こんな阿呆なやり方を真面目に実行してしまう本部なら、そこに勤める幹部だって洗脳されているのは間違いないだろうし。