ジャーナリストの米本さんは、多分、統一教会外の人間としてはかなり統一教会の問題にかかわってきたことは間違いない。
しかしながら、これだけ長きにわたって、かつ実際の信者にも繰り返しインタビューを行い、さらにディープスロートまで持っていながら、統一教会の狡さや二枚舌であること、またはこの世の法律や常識と言ったものを守るつもりなんぞない事については、なぜかつねに理解していただけない状況が続いていた。
これではジャーナリストとしての訓練を受けてきた事や、ジャーナリストであることを誇りとしているように見える姿勢の割に、ものごとの本質にせまりきれていない、隔靴掻痒の状況が続いていた。
こう言っては申し訳ないが、これではジャーナリストとしての素養に不足があるのではないかとすら思っていた。
実際、このブログでも、米本さんの統一教会理解が足りていないことは何度か書いている。
例： UCに「人権」なんてものは存在していない
とは言え、米本さんは自分のインタビュー技術には自信をお持ちなのだろうけれども、統一教会の信者が外部の人間と交渉を持つ場合は、自動的にフィルターがかかる事を考えれば、このような誤解は米本さんのせいではなく、そのように誤解させてきた統一教会側に責がある。
しかしながら、米本さん用の統一教会のその化けの皮もようやく最近になってはがれてきたようで、米本さんもなぜ統一教会は自己矛盾した行動を繰り返すのかを問いかけている最中、その狡さを認識したらしい。
米本氏のブログ、「２０１５年度総決算７２日路程、徳野らに怒りの鉄槌を！ 」から引用する。
＜引用開始＞
【閑話休題】
「献金を集めようとすれば、法令の遵守は守れない」
このことを十分に認識していながら、教団中枢はどうして法令遵守のことをインターネット会議で話したのか。
記事をアップしたときには浮かばなかったのだが、こうして記事を綴っていると、この疑問が大きくなっていった。
推論的結論は、違法行為で現場が摘発されたとき、教団中枢に類が及ばないようにするためである。
すなわち、公安警察が徳野氏、岡村氏などを任意で事情聴取したとき、
「９月のネット会議の録画を観てください。このように法令遵守の指示を行なっています。一部の末端シックが私たちの指示に従わなかっただけなのです」
と抗弁する。自分たちの逮捕を免れ、組織の生存権を守ろうとするためである。
新潟の北玄事件、渋谷の新世事件のときも「当法人とは関係ない」と釈明していたのと同じである。だとしたら、「狡い奴ら」というしかない。
＜引用終了＞
今さらというか、遅ればせながらというか、ようやく統一教会がずるくて狡猾な、例えるならば蛇のような奴なのだという認識を持ち始められたようです。
上で引用した UCに「人権」なんてものは存在していないにも書いたように、相手を攻撃するために使えるものなら何でも使うが、その同じモノサシ（法律や憲法）が自分に向かうと、天の事情だの摂理だのを持ち出して、自分たちはさらさら守るつもりがない。
信者には、内部の会議などを通じて、違法なカネ集めをしなければ献金目標が達成できないことを知りつつ、表では「法律は守りましょう」と叫ぶ。
こんなのはすべて、統一教会とはどういう存在かにかかわっている問題であって、統一教会の幹部連中は日本の法律や憲法に従うつもりは微塵もなく、メシアたる（現在では）真の母の命令と、それを伝えてくる韓国人の中間メッセンジャーのお気に入りでありつづけることだけでしかない。
統一教会的には良い意味で、そして日本国としては悪い意味で統一教会の事を誤解してくれていた米本さんをして、ここまで踏み込ませて真実に気が付かせてしまったのは、統一教会の自業自得としか言いようがありませんけれども。
本気で法令を順守するために、組織体制を見直し、コンプライアンスを徹底するまで献金ができなくても問題ない、ぐらいの姿勢で取り組んでいれば、もうしばらく米本さんをだまし続けていられたかもしれませんし、サンクチュアリ教会への大脱走もなかったのかもしれません。
しかし、献金がなければ直ちに教会維持すらできなくなる状況では、それすらできなかったと言うのが本当のところだと思います。
だとすれば、自業自得をすら通り越して、哀れとしか言いようがありませんね。統一教会。これでいまさら「真のお父様」の勝利圏の拡大による、地上天国の実現なんかを語るのはむなしくならないのだろうか、と他人事ながら心配になります。
人をだまし続けてきたつけを、最終的に誰が払うのか、統一教会はそろそろ腹を決めなければいけないかもしれません。
追伸
最近、ちらほらと黒田かんごで検索してくる方がいらっしゃるのですが、そういえば、あの御仁はどこに行ったのでしょうね？
記憶では、2013年？2014年からなにか打って出るとか言ってたような気がするのですが、はて？どこに消えてしまったのか？ま、ふと思っただけですが。
