KIB: kurogane in black

Yahoo!ブログ閉鎖に伴い移動しました。

統一教会失敗の記念碑

統一教会(世間では旧統一教会と呼んでいるようですが、どちらでも同じようなものと思っています)はテレビ局にも圧力をかけているらしいけれども、それでも頑張って報道しているところはあるわけで、週末ぐらいしか関係界隈を巡回していないはずの私のところにですら、日常生活の中で統一教会の話題が出てきたりする。

 

え?統一教会は圧力かけてないって?

 

ご冗談を。絶対かけてるでしょ。昔から電話作戦とか嫌がらせみたいなことやってたし、いつだったか忘れましたが、お父様が勝利したのでこれからは打たれて復帰する時代は終わった、これからは打ち返す!とか言ってた記憶もありますからね。

 

そういう「み言」はきっと純粋に守ってやっているはず。

 

さて。かつて一週間ほどツイッターをやっていた間、FFさせてもらっておりました高橋みゆきさん。

 

twitter.com

 

彼女が始めた「宗教2世に信教の自由を」オンライン署名ですが毎日新聞さんの記事になって流れてきましたね。

 

この高橋みゆきさんの活動がどういう意味を持つのか、果たして統一教会は理解しているのだろうか?

 

news.yahoo.co.jp

 

この高橋さんの活動の意味はさておくとします。まず記事の中で、統一教会への取材として次のようなコメントが挙げられています。

 

統一教会は取材に「悲痛な声を上げている2世信徒がいることを認識し、すべての教会に2世担当者を配置し、相談体制構築に励んでいる。いわゆる『霊感商法』など過去の行きすぎた活動を反省しケアを怠らず、今後も心の傷を負わすことがないよう努力を続けている」と話している。(毎日新聞記事より引用)

 

悲痛な声を上げている2世信徒がいることを認識はしているのでしょう。

今から6年前にもこんな記事を投稿しましたが、「いつも隣に神様」という教会の責任者をしておられる方が、教会から距離を置く青年がいることは認識していて、相談に乗っている、と書いています。

そしてその問題の本質は親子問題なのですとか仰っていましたからね。

 

kib.hateblo.jp

 

これと同じ程度の認識として、「2世担当者」を配していることは配していると思いますよ。相談にも乗っているでしょうしね。

しかし「教会に通いたくありません」という2世がいたとして「そうですよね。仕方ないです。距離を置くのも一つの方法ですね」などと言ってくれる担当者がいるわけないでしょうよ。

 

毎日新聞の記者も信者の実体をよく分かってないからこんなコメントをとれたところで記事を書いちゃったのかどうなのかわかりません。

内部や考え方を知っている立場からすれば相談員が2世の側に立って動いてくれるわけないんだから「離れたいと言ったらどう対応するのですか?」ぐらい突っ込んでくれないと意味がないんよ。

 

それに記者に対応した統一教会側の担当者が誰か知りませんが、『霊感商法』など過去の行きすぎた活動を反省しケアを怠らず、と殊勝なことを言っているようですが、これも2世が求める対応の一部でしかなく、彼らが本当に苦しんでいることに向き合っていない。

 

高橋さんはじめ2世の皆が求めているのは「信教の自由」です。

 

霊感商法などの行き過ぎた活動の反省とケアなんかじゃないんですわ。

 

「今後も心の傷を負わすことがないよう努力を続けている」って言いますけどね、繰り返しますが、2世は高橋みゆきさんが始めたように、信仰の自由を求めているわけですよ。それに対して「はい、それではそうしましょう」と言えるのか?

「付き合っている人と自由に交際したい」と相談されて、「それも良いですね」と言えるのか?ということなんですよ。

 

そんな対応をして実際に2世が教会と距離を起き、教会と関係ない一般の人と自由に恋愛し、場合によっては肉体関係も持ったら、その親から担当者は殺されんばかりの勢いで責任が追及されるはずです。

 

高橋みゆきさんが始めたのはそういう事なんですが、統一教会はそれを認められますか?2世の子供が信教の自由を盾に、統一教会を離れ、外部で恋愛関係に入ることを統一教会や、信者である2世の親たちはそれを許せるのか?

 

2015年に書いたこの記事は今でも有効なはず。

 

kib.hateblo.jp

 

そして1週間ほどのツイッター経験で見たほかの宗教の二世でも同様なことを騙っているのを見れば、統一教会に限らず自分の信仰を子供にも押し付けてその行動を制約してしまうのは普遍的に発生しうることを改めて確認しました。

他の宗教まで話を広げると収拾がつかなくなるので、ここでは統一教会の話題に絞っておきます。

 

統一教会の教義上、決して受け入れることができない2世の信仰の自由を、相談員を置いて対応させていますなんていう表面的なごまかしで逃れている時点で統一教会は2世の問題を解決するつもりがない、と宣言しているに等しい。

 

というか、それ以外できないでしょうしね。

文家のご婦人やお子様たちがどれだけ乱暴狼藉を働こうが、海の向こうで鉄砲もって礼拝してようが、なんとか折り合いをつけることを信者に強制することができたとしても、自分の息子・娘が教会を離れるとか、自由恋愛をするとか、好き勝手に結婚するとか、そんなのを認めてしまったら、1世の信者としては自分が何のためにこんな思いをして統一教会の信者をやり祝福を受けたのか、その意味が根底からひっくり返ってしまう。

 

だからこそ、数多くの2世が叫ぶようにツイッターで書いているように、厳しく子供の活動を制約したり、何も知らずに子供に近づいてくる異性に対して喧嘩腰で遠ざけたりしてきたわけで。

 

もし、これを「お父様の勝利圏」「お母様の勝利圏」「お子女様の勝利圏」とかで、これからは自由に恋愛しても良い、ということになれば、それこそ教会組織の根底を覆すことになる。

 

結局、2世が納得するような「真の家庭」を作れなかったメシア家庭とか幹部、そして祝福家庭(つまりは2世の親ね)が、統一教会は間違っていることを証明していまいました。

 

高橋みゆきさんが始めた宗教2世の信仰の自由を求める署名活動は、「統一教会失敗の記念碑」となる。

 

今まで私たちも含めて1世の信者がやめてこうしてブログで書いたりしてきましたが、祝福二世が公に対して「自分たちの信仰の自由を」求めたこと、そして数万の支持を集めてしまったことは、統一教会の失敗を意味します。

 

担当者を置く?

 

いやぁ、寝ぼけている暇はないですよ。

 

こんな風になっても1世信者で残る人はいるでしょうし、2世でも組織に残る人はいるとは思います。宗教とはそういうもの。

 

しかし、統一教会が創設以来掲げてきていた「全人類が神の愛によって結ばれる地上天国を実現する。それはメシアによる祝福を通して天的四位基台(家庭)を通して実現される」という教義・主張が根底から崩れることを意味します。

 

1世信者の方で「祝福2世」がいるところは、ここで一度、もうあきらめて統一教会は失敗したことを認め、子供の信教の自由も、自由恋愛も、本人たちの自由意志と成人男女の合意による祝福ではない結婚を、喜んで祝福してあげるべき時がきたと思います。